それに模試で偏差値が下がったからダメかというと、そんなこともなくて、あくまで模試は一般的な問題が出題されているものに過ぎません。入試そのものとは傾向も出題も違いますから、絶望感に苛まれる必要は全くありません。そういう場合は子どもを連れて、実際に学校に行ってみるといいですよ。

　最後の最後、実際に学校に行ってみると覚悟が決まるものです。そこで、なるべく学校のいいところを見せてあげる。学校にお願いしてみたらいいと思いますよ。

　運動場とかで実際に自分が走る姿を想像できるだけでも違いますし、部活に飛び入りで「ちょっとやってみる？」と参加させてもらえたケースも見聞きしています。子どもは何かがキッカケとなると爆発的に伸びることもあるので、入試日を良いイメージで迎えていただきたいですね。

――先ほど、ギリギリになっても志望順位が決められないという話が出ましたが、併願校も含めた受験校はいつ頃までに決めるのが理想ですか？

　個人差がありますが、サピックスであれば6年生の5月から6月にかけて第1回の個別面談があります。そのときにおおよその志望校が決まっていると非常に楽ですね。その後、志望校別特訓などが色々控えていますから、どのコースを選ぶかを迷う必要がなくなります。

　さらにその時期に、過去問の販売が始まります。皆さん、品切れになるといけないから、早めに買うという動きを見せるんですよ。それに、受験校が決まっていると秋口の学校説明会や文化祭に行こうというときでも、非常にスケジュールが立てやすいというメリットはあると思います。 

　ただ、現実問題、5月、6月の段階で全員が決まるかというと、そんなこともない。ある程度決まっていたとしても、その後変更する方もいます。学力的な部分で変更する場合もあれば、秋口に実際、学校を見て、こっちの方が魅力的だってことで変更する場合もあるんです。

　各校の受験日程を見ながら「この日はここ！」という決め方をする人もいます。併願校の選び方の軸としては、親の安心感と子どもの納得感が大事かと思いますが、ご家庭によりけりというのが正直なところです。