4月下旬、アジアのスタートアップ・コミュニティを代表する3人が日本にやってきた。
1人はラマ・マムラヤ氏(Rama Mamuraya)。インドネシアのテックスタートアップ・メディアDaily Social創業者だ。
もう1人は、モハン・ベラニ氏(Mohan Belani)。アジアのスタートアップが集い、競い合う最大級のカンファレンスEchelon(エシュロン)を運営している。ベラニ氏はシンガポールを本拠地とするアジアのスタートアップをカバーするブログ・メディア『e27』の共同創業者兼ディレクターも務める。なおDaily Socialはe27のグループ入りを発表している。
最後に紹介するのはイム・ジフン氏(Jimmy Rim)。韓国で評判の新興ベンチャーキャピタル、K Cube VenturesのCEOだ。
筆者は、うち二人とパネル・ディスカッションに登壇するとともに、個別に話をうかがう機会を得た。それぞれの国でのスタートアップ・エコシステムを聞いていくと、各国でのスタートアップへの取り組みから日本が学べる点、そしてアジア展開を志向する日本のスタートアップや投資家などが考えたい点が多くあることが分かった。
インドネシア沸騰と思いきや
何年もかかる難儀な市場
1、2年前から日本でのインドネシア熱の高まりは、顕著になっている。Echelon 2013の4月25日東京でのサテライトイベントで「Startup and investment opportunities in Indonesia」と題して講演したマムラヤ氏は、日本からインドネシアに進出する会社や、日本の投資家のインドネシア企業への投資が増加していると指摘していた。
例えば、サイバーエージェントベンチャーズやグリーベンチャーズなどが、既に投資を開始している。
インドネシアは好材料が揃っていることは誰の目にも明らかだ。人口、若い年齢構成、経済規模と成長性、さらに親日的なカルチャー……。加えて、コミュニケーションが大好きな国民性がある。実際、ソーシャルメディアのユーザーが非常に多く、フェイスブックやツイッターの利用が盛んだ。通信キャリアや携帯端末メーカーが、アプリ開発に力を入れており、投資やコンテストなどによりスタートアップとの連携を加速している。