アザーワールド公式HPアザーワールド公式HPより

台湾の新しいテーマパークが、「ディズニーランドのパクリではないか」と物議を醸しています。振り返ればかつて中国でも似たような騒動がありました。当時は米国政府と中国政府のガチンコバトルに発展しましたが、今回はどうなるのでしょうか?比較検証します。(明治大学経営学部兼任講師 中島 恵)

台湾の「パクリ」ディズニーランド
2007年の北京の大騒動の再来か!?

 今年8月に台湾の中部・嘉義県に開業したテーマパーク「Other World」(アザーワールド)が、「ディズニーランドに似ている」「というかパクリ?」などと話題です。

 一連のニュースやSNSでの反応を見ていると、2007年に起きた中国・北京の「パクリディズニーランド騒動」を思い出します。そこで、当時の報道などを振り返りながら、中国と台湾の「なんちゃってディズニーランド」を比較してみましょう。

 07年4月、北京にある石景山遊楽園が「ディズニーランドをパクっている」などと報道され、大騒動になりました。石景山は1986年創業、国家「AAA」級観光地に選出される国営遊園地です。35万平米の広さに中国式庭園と西欧風城砦建築を折衷した世界観で、「冒険世界」「幻想世界」などのテーマを持たせた各エリアに合計100超のアトラクションが並びます。

 石景山が、「ディズニーランドは遠すぎる。石景山遊楽園にいらっしゃい」というキャッチフレーズを掲げていたこと、シンデレラ城に酷似した建物や、ミッキーマウス、ドナルドダック、クマのプーさん、白雪姫などディズニーキャラクターに酷似したキャラが描かれている場所としてクローズアップされました。

 当時、香港ディズニーランドは開業していました(2005年9月)。一方、石景山は米ウォルト・ディズニー社からキャラクター使用許可など受けていません。米国政府は、「中国で蔓延する著作権侵害だ」と憤り、中国政府を「知的財産権の侵害」で世界貿易機関(WTO)に提訴しました。

 米企業らは、中国の「海賊行為」によって年間数十億ドルもの損害を被っていると主張。米議会の諮問委員会は、中国の生産品全体の15~20%が模倣品だと指摘しました。

 しかし、中国知的産権研究会は、驚きのコメントで反論します。