台湾にも「パクリ」ディズニーランドが出現?中国・北京騒動の再来か、専門家が比較検証似ているけど違う...?石景山遊楽園2006年3月撮影 Photo:VCG/gettyimages

ミッキーマウスに似た人形
「ネズミではなく耳の大きい猫」

「中国政府にとって著作権的に合法なDVDやデザイナー・ブランドを入手できる経済力がほとんどない。消費者を変化させるより、貿易における制裁の方が楽だろう」

「中国には著作権に対する認識がない。中国人は海賊版を使用することを悪いと思っていない」

「中国政府には、国内の主要産業を強制的に取り締まる動機はほとんどないだろう」

「政府が著作権保護を強化しても、中国にとって得になることはなく、海外の著作権保持者が得をする。政府が著作権保護に乗り出せば、中国自身の模造品製造業が発展し、競争力を付けることはできない」

 このように、あまりにも堂々と自己弁護を述べました。

 石景山も、ミッキーマウスに似た人形について「ネズミではなく耳の大きい猫」などと言い逃れし、疑惑を否定。白雪姫に似たキャラクターは「グリム童話を題材にしたオリジナルキャラクター」と説明しました。

 一方で、米ディズニー社から著作権侵害の抗議を受けたこともあってか、北京市は現地調査に乗り出します。最終的には北京市が、同園にパクリ疑惑があるキャラクターの像や、着ぐるみを撤去させたと報じられました。

 米中の経済担当閣僚による協議が控えていたこと、何より08年の北京五輪を前に、中国のイメージダウンを避けたかったからと見られます。

セーラームーンもパクられていた!
証拠隠蔽しは「模様替え」と説明

 石景山はパクリキャラクターの使用中止で大打撃を受けると思われました。ところが、大胆な反転攻勢に打って出ます。園内のディズニーまがいのイラストを、次々と別のものに描き換えていったのです。さらに、「新アトラクション建設を急ピッチで進めており、集客力は増加する」とコメント。めげない姿勢がすごいです。

 実はディズニーだけでなく、日本のテレビアニメ「とっとこハム太郎」や「美少女戦士セーラームーン」などによく似たイラストも勝手に描かれるなど、模倣は多岐にわたっていました。それらについても、石景山は「模様替え」といって証拠を隠蔽したと報じられます。

 ただし、園中央のシンデレラ城のそっくりさんは、そのままだったようです。