Photo:Ron Jenkins/gettyimages
誰かがグーグルに「AIバブル」の件を伝え忘れたのだろう。
ハイテク株、特に人工知能(AI)開発競争と密接に関連する銘柄にとって残酷な1カ月となる中、グーグルの親会社アルファベットは逆行高を演じている。10月29日にナスダック総合指数が最高値を付けて以降、アルファベット株は約16%高となり、9月上旬に始まった上昇に拍車が掛かっている。同社は9月上旬に裁判で、米政府による強制的な会社分割への懸念に事実上、終止符を打つ判決を勝ち取った。
一方、マイクロソフト、オラクル、エヌビディア、メタ・プラットフォームズの株価は、10月29日以降の下落率が2桁に達している。マイクロソフトは13%安で、時価総額もアルファベットを下回った。ファクトセットのデータによると、この逆転は2018年半ば以来のことだ。
これにより、アルファベットは時価総額が3兆8000億ドル(約593兆円)と、エヌビディア、アップルに次ぐ世界3位の企業になった。しかもその差は縮まりつつある。アルファベット株は25日、グーグルが自社製半導体へのアクセス権販売についてメタなど大手クラウドユーザーと交渉中との報道を材料に、再び上昇した。エヌビディア株はこれが響いて序盤の取引で5%超下落し、時価総額が4兆2000億ドルを割り込んだ。
アルファベット株はAIに対する「逆張り」銘柄になったわけではない。グーグルは最先端AIモデルの開発競争に正面から取り組んでおり、そのために驚異的な高額をつぎ込んでいる。








