メタの新たなデータセンター建設現場メタの新たなデータセンター建設現場(ルイジアナ州ホリーリッジ) Photo: Rory Doyle for WSJ

 米シリコンバレーの大手企業は、今年だけで4000億ドル(約61兆6000億円)を人工知能(AI)開発に投入する計画だ。しかし、各社とも投資は全く不十分だと口をそろえている。

 米 メタ・プラットフォームズ は、新たなAIモデルの学習と既存製品の強化を同時に進めており、容量の限界に直面しているという。米 マイクロソフト は、データセンター主導のサービスに対する顧客需要が極めて高く、今後2年間でデータセンターの総面積を2倍に拡大するとしている。また、米ネット通販大手 アマゾン・ドット・コム は、クラウド容量を可能な限り迅速に拡大すると発表した。

 マイクロソフトのエイミー・フッド最高財務責任者(CFO)は「数四半期にわたり(計算能力が)不足している。需要に追いつけると思っていたが、追いついていない。需要が拡大している」と指摘。「こうした需要の兆候が見られ、需要に追い付いていないことが分かっている場合、投資を行う必要がある」と述べた。

 メタと米グーグルの親会社 アルファベット 、マイクロソフト、アマゾンは過去48時間に投資家に対し、2026年は支出を増やすと説明している。投資家はグーグルとアマゾンの計画を支持する一方で、メタとマイクロソフトの計画には懸念の声が上がった。

 30日の米株式市場でメタは11%、マイクロソフトは約3%それぞれ下落。一方、グーグルとアマゾンは時間外取引でそれぞれ6%、10%程度上昇した。

 投資家の相反する反応は、巨額の投資が最終的にどこに向かうのかという不確実性に根差している。企業やAI推進派は、機械学習システムが人間の思考に匹敵するか、それを上回る汎用(はんよう)人工知能(AGI)に到達するためには投資が不可欠だと主張している。