イラン政府は、ドバイの両替事業などを通じ、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラに過去1年で10億ドル(約1560億円)以上を送金していた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。イランは、ヒズボラへの新たな資金供給方法を模索している。関係者によれば、米政府がテロ組織に指定しているヒズボラはイスラエルとの昨年の激しい戦闘を経て、再建や再武装などの費用を賄うための資金を必要としている。シリアを経由するルートは、イラン寄りのアサド政権が崩壊したことを受けて1年前に寸断。またベイルートの空港では、レバノン当局が現金の運び屋の取り締まりを強化している。こうした手段が制限されたことにより、イランとヒズボラはドバイのような代替ルートに依存せざるを得なくなっている。アラブ首長国連邦(UAE)で国際金融拠点として重要性が増しているドバイは、イランが長年にわたり資金洗浄や制裁回避に利用してきた場所だと、米政府高官を含む関係者は述べた。