日々仕事を頑張っているけれど、「実力をきちんと評価されていない」という不満と「自分よりできる人はたくさんいる」という気持ちの間で揺れてしまうことはないだろうか。思い通りに成果が出せていない中では、一流を目指したり、成功者を目指したりすること自体がおこがましく感じてしまうこともある。そんな自分の将来に不安を抱える人におすすめなのが『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ著/藤田麗子訳)。「心が救われる」「何度も読み返したくなる」と話題のベストセラーだ。本書には、著者自身の経験をふまえた成功法則があたたかい言葉で語られている。本記事では、「お金持ちになる方法」を引用しつつ紹介する。(構成/小川晶子)

お金持ちになるために必要なこと・ベスト3Photo: Adobe Stock

一流の人は一流しか目指さない

先日、とある成功者にインタビューする機会があった。

一流の技術を持ち、世界に尊敬されている人だ。当然、大きな財を成している。

高級ホテルで向かい合いながら「私たちも(それぞれの分野で)一流を目指したほうがいいのでしょうか?」と何気なく聞いてしまった。

その人は「一流を目指したほうがいいか、三流を目指したほうがいいかで迷っているわけ?」と言った。

私は自分がおかしな質問をしたことに気づいた。

一流を目指したほうがいいに決まっている。

今の実力がどうあれ、目指すのは自由だ。

「自分が目指すのは、二流三流でいいや」なんて、どこかで歪んでしまった考え方であろう。

なぜ歪んでしまったかというと、周りの人の言葉を気にしたり、他人と比較したりしているからだ。

「あの人に比べれば自分はマシなのではないか」
「この人は自分をわかってくれていない。どうやって自分の実力をわからせてやろうか」

そうやって他人と比べたり、他人からの評価を拠りどころにしようしたりしているうちは一流にはなれない。

で、そういう人は「自分も一流を目指したほうがいいのかな、でも、おこがましいような気がする」という思考になってしまう。

最初から一流を目指している人は、やるべきことに集中しているだけだ。

「一流を目指したほうがいいか?」なんていう思考にはならない。

お金持ちになるために必要なこととは?

ベストセラー『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』の著者で起業家として成功しているクルベウ氏も、「お金持ちになる方法」として同じようなことを言っている。

「お金持ちになる方法」というタイトルではあるが、お金そのものが目的ではない。

「自分の理想を叶えた結果として、経済的にも成功する」というイメージだ。

その方法とは、次の3つである。

1 自分がなりたいものは何なのか、はっきり定める

「『こうなりたい』という明確な姿がなければ、何事にも一生懸命に取り組むことができない。

ひたすら仕事が早く終わることだけを願いながら、時間をつぶしたり、こんなに大変な仕事をしている自分にはどれだけの癒しが必要だろうかと考えたり、優れた人と自分を比較して落ち込んだりして、時間を浪費してしまう恐れがある」
――『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』より(p.123)

たとえば今やっている仕事の分野で、一流を目指すとはっきり決めるのだ。

どういう状態が一流と言えるのか具体的にイメージできるといいだろう。

大事なのは「自分がなりたい姿」であること。

他人に言われたからとか、安定しているからということではない。

もし「こうなりたい」とはっきり思えないなら、じっくり考えて探す時間を持つ必要がある。

2 失敗する準備をする

「こうなりたい」と決め、目標に向けてさまざまな行動をする中では失敗もあるはずだ。

思った通りに物事が進まない。
批判を受けた。
自分のできなさにがっかりする。

そんなこともあるにちがいない。

でも、一度や二度の失敗で「あきらめたほうがいいよ」「間違っている」と言ってくる人がいても耳を貸す必要はない、とクルベウ氏は言う。

「失敗は欠かせない時間だ。
その失敗によってのみ、ひとえにその失敗によってのみ、あなたは学ぶことになるだろう」
――『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』より(p.125)

最初からこの心づもりでいればいいのである。