仕事で「何もミスしたくない」「結果を出さなきゃ」と思い、つい自分を追い込みすぎてしまう……。そんな「完璧主義な人」ほど、自分の失敗を許せず、上司や先輩からの軽い指摘にも深く傷ついてしまいます。そんな自分を責めてしまいがちな人の心に寄り添ってくれるのが、書籍『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』(クルベウ著/藤田麗子訳)です。「1ページ目から泣いた」「大切な人にプレゼントしたい」と話題の本書。今回は、本書から、自己肯定感が低くなりやすい人に関する一説を紹介します。(構成:ダイヤモンド社・林えり)

心が折れやすい人の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

「うまくやろう」としすぎる

完璧主義の人ほど、仕事に誠実で責任感があります。

上司や先輩をがっかりさせたくない、結果を出して信頼されたい。その思いが強いほど、ちょっとした失敗や注意を「自分の存在そのものへの否定」と感じてしまうのです。

たとえば、上司にできてない部分を指摘されると、「自分は全然ダメなんだ」「会社が合ってないのかも」と心が折れてしまう。

「完璧にやりたい」という気持ちは、仕事を大切にしている証でもあるのに、自分の心の中では「ちゃんとできなかった自分」を罰してしまう

そんな自分に厳しい人をハッとさせる一節が『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』には書かれています。

うまくやろうとするから失敗して

うまくやろうとするから悩みが増え

うまくやろうとするから心配になり

うまくやろうとするから後悔して

うまくやろうとするから申し訳なさを感じる。

――『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』より

この言葉の通り、完璧主義の人ほど「うまくやろう」とする気持ちが強いあまり、その気持ちが“自分への圧”に変わってしまうのです。

「ちゃんとやらなきゃ」と思えば思うほど、小さな失敗に対しても大きな罪悪感を抱えてしまう。

それが、心が折れやすい人の特徴なのです。

いきなり100点を目指さない。「60点でもいい」と認めてあげる

仕事は、自分の思い通りにいくことのほうが「まれ」です。

完璧に準備したのに、相手の反応がイマイチだったり、

時間をかけて整えた資料より、ラフなメモの方が評価されたり。

だからこそ、「完璧でなくても、なんとかなる」ことを知っておくことが大切です。

・資料を100点にするより、60点でも早く共有する
・指摘を「否定」ではなく「成長のチャンス」として受け取る
・「申し訳ない」ではなく「ここからどう立て直そうか」と考える

そんなふうに少しずつ“完璧でない自分”を受け入れることが、心を守りながら働くいちばんの戦略です。

うまくいかなくても大丈夫

「うまくやろう」とする気持ちは、誠実さの証です。

けれど、それが自分を責める方向に向いてしまうなら、こんなふうに自分に声をかけてあげてください。

「うまくいかなくても大丈夫」
「完璧じゃなくても、私はもう十分ちゃんとやれている」

自分の心を大切に守る姿勢こそが、自信を取り戻すきっかけになるのです。

(本稿は『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』を元に作成しました)