「70年やっても読み間違える」…投資の神様が語る、投資の“残酷な真実”
テレビ・ネットで「日本のウォーレン・バフェット」と話題! 1936年(昭和11年)、兵庫県の貧しい農家に4人兄弟の末っ子として生まれた。高校を出してもらってから、ペットショップに就職。そこでお客だった証券会社の役員と株の話をするようになったことがきっかけで、19歳のとき、4つの銘柄を買ったのが株式投資の始まりだった。バブル崩壊では10億円あった資産が2億円にまで激減。しかしあれから70年、89歳になった今、資産は24億円以上に増え、月6億円を売買しながら、デイトレーダーとして日々相場に挑んでいる。隠しごとなしに日常生活から投資法まで全部書いた話題の書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものをお送りする。資産24億円に増えた今刊行した“小説形式”だからスラスラ読めて、プロの儲かる知識がドンドンわかる待望の続編は、『89歳、現役トレーダー 大富豪シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)。
写真:川瀬典子
70年の熟練者でも見誤る「相場の魔物」
株は決してラクなものじゃないですよ。どれだけ勉強を重ねても、勝ち続けられるものではありません。私だっていまも読み間違えることはいくらでもあります。
70年近い経験があったって、「予想だにしない方向に値が動く」ことが普通です。
まばゆい「光」の裏に潜む「影」の正体
スペインには、「ソル・イ・ソンブラ」という言葉があります。意味としては「光と影」です。スペインの闘牛場では、日なた席と日陰席がちょうど半分に分かれていて、それが生と死、光と影を意味するそうです。
株も同じなんですよ。本気でやっていれば、必ず光と影が出てくる。光が濃いほど、同じだけ影も濃くなるんです。
【解説】「負け」を許容する強さこそ
投資家の最終奥義
70年の経験を持つ達人の言葉は、私たちに「完璧でなくていい」という大いなる救いを与えてくれます。
どれほど勉強しても、どれほど経験を積んでも、相場の未来を100%当てることは不可能です。この事実を受け入れることこそが、投資家としての成熟の第一歩です。
「光」が強ければ、リスクもまた深い
「ソル・イ・ソンブラ(光と影)」の教えは、リスクとリターンの関係を美しく、かつ残酷に表現しています。
短期間で資産を何倍にもするような銘柄(強い光)には、同じだけの速度で資産を失うリスク(濃い影)が必ず潜んでいます。
「儲かりそうだ」という光の部分だけに目を奪われ、その裏にある影のリスクを見落としていないか。エントリーする前には、常にこの「光と影のバランス」を自問する必要があります。
生き残るための「謙虚さ」
「相場の魔物」に対抗する唯一の手段は、予測の精度を上げることではなく、「自分は間違えるかもしれない」という謙虚さを持つことです。間違いを前提にするからこそ、全財産を一点に賭けるようなことはせず、資金を分散し、余力を残すことができます。
予想が外れることは恥ずべきことではありません。それは投資というビジネスにおける「必要経費」です。影(損失)が出ても致命傷にならぬようコントロールし、次の光を待つ。その姿勢こそが、長く市場に立ち続けるための秘訣です。
※本稿は、『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え 資産18億円を築いた「投資術」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。











