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米中関係の第一人者であるスーザン・シャーク氏は、常に変化し続ける台湾情勢について示唆に富む見解を私に語った。
同氏は、トランプ米大統領が中国の習近平国家主席との電話会談直後に日本の高市早苗首相に台湾問題を巡って中国政府を刺激しないよう電話で助言したというウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の記事について、1世代前のある決定的な瞬間を思い起こさせたと指摘した。
2003年12月、ジョージ・W・ブッシュ大統領は中国の温家宝首相と並んで立ち、台湾の陳水扁総統の住民投票計画を公然と批判した。類似点は詳細ではなく戦略にある。2003年の台湾指導者への叱責(しっせき)と2025年の日本の首相への助言は、いずれも同じ米国のバランス外交を示している。
2003年当時、ブッシュ氏はテロとの戦いと位置付けた戦争を戦っていた。現在、トランプ氏はロシアのウクライナ戦争を終結させようとしている。カリフォルニア大学サンディエゴ校21世紀中国センター名誉所長のシャーク氏が指摘するように、いずれの場合も台湾海峡での戦争回避が米国の優先事項だった。
米国政府は「平和な台湾海峡」の維持を望んでいる、とシャーク氏は述べた。そのため時には、戦略的ライバルだけでなく民主主義のパートナーにも自制を促すことがある。同氏はこれを「安心供与のブレーキ」と呼んでいる。







