米兵トレーダーら、株と暗号資産に夢中ブライソン・ソーンダース3等兵曹のような米軍兵は強気相場の恩恵を受けている Zack Wittman for WSJ

 米宇宙軍のゴードン・マカロック大尉(27)は最近の水曜日の夜、ニューメキシコ州の静かな暗い空を飛行する軍用プロペラ機の中にいた。その時、所属中隊のグループチャットは沸き立っていた。

 中隊のメンバーは、地上にいる者も上空にいる者も、電磁戦のデータを収集していた。だが同時に頭の中を占めていたのはお金の話だ。この直前、グーグルの株価が時間外取引で急騰していた。

 地上に降りると、マカロック氏はメッセージに目を通した。地上勤務の将校の1人がこのニュースのスクリーンショットを送ってきており、別の者が「トゥー・ザ・ムーン(月まで届くほど急激な値上がり)」を願うと返信していた。

 マカロック氏と仲間の兵士にとって大もうけの1日になりそうだった。

 米軍は世界で最も強力な投資クラブかもしれない。今の強気相場で大きな成果を上げている。

 軍人らはテック株と仮想通貨(暗号資産)ビットコインで大金を稼いでいる。航空母艦(空母)の甲板から無名の仮想通貨に関する情報を交換している。市場が過去最高値を更新する中、基地の駐車場には高級スポーツカー「ポルシェ」や個人所有の軍用車(高機動多用途装輪車両)「ハンビー」の新車が並ぶ。軍服を着たソーシャルメディア・インフルエンサーは、金持ちになる方法をフォロワーに伝授している。

 飛行試験エンジニアとして働くマカロック氏は、AIデータセンターのブームによる電力需要拡大を見越して、原子力エネルギー関連株に多額の投資をしている。今のところ非常に順調に推移し、保有株の一部は今春以降2倍以上に上昇した。ただ、上昇相場がいつまで続くのか疑問に思っている。

「どこまでも上昇し続ける理由が分からない。それは認める」