疎遠になった後輩から毎年お歳暮→お返しを贈るのも面倒だから断わりたいけど…年末にモヤモヤ写真はイメージです Photo:PIXTA

大人の日々は「選択」の連続です。ピンチをチャンスに変えるには、どうすればいいのか。高い評価や人望や信頼をたくさん得られるのは、どっちの選択肢か。微妙な状況への立ち向かい方を通じて、より大きな幸せをつかめるトクな道を探りましょう。
※「お悩み」は編集部で作成した架空のモデルケースです。

今回の「お悩み」

 10年以上前に学生時代の後輩から転職の相談を受け、希望に合う友人の会社を紹介した。

 就職できた恩を感じてくれているのか、それから毎年お歳暮が届く。気持ちはうれしいが、お返しを選んで贈るのはけっこう面倒だ。その後、自分も別の業界に転職して、今は接点がない。

 もう断わりたいが、それも勇気がいる。もらい続けるか、断わるか、どう対応すべき?

選択のポイント

 昨今ずいぶん下火になりましたが、まだ一部には「お中元」や「お歳暮」を贈り合う習慣が残っています。疎遠になっている人が、義理堅く贈ってくれるケースもしばしば。気持ちはうれしいですが、お返しをしないわけにはいかないし、正直ちょっと厄介です。

 ただ、そう気軽に「もう贈らないでほしい」とは言えません。「あなたとは縁を切りたい」と言っているようにも聞こえるし、「それはとんだご迷惑様で申し訳ありませんでした」などとムッとした気配が漂うこわい返事をもらう可能性もあります。

 わざわざ波風を立てず、向こうが贈ってこなくなるのを静かに待つのも、ひとつの選択肢。しかし、それだと時季が来るたびに憂鬱な気持ちを抱える羽目になります。

 断ったからといって、気まずい思いをするとは限りません。向こうも贈るのをやめるタイミングを探っている可能性もあります。お互いにストレスがなくなる展開になることを願いつつ、ここは勇気を振りしぼって「もういらない」という意志を伝えましょう。

 もちろん、伝え方にはそれなりの工夫が必要です。「あなたからはもういらない」ではなく、「思うところあって、たいへん勝手ながらすべてご辞退させていただきたく」と書いたり、「すでに十分、お気持ちはお受け取りしましたので」と感謝を伝えたりしましょう。

 その上で「今後も引き続き、変わらぬお付き合いをお願いできたら幸いです」などと、縁を切りたいわけではない気持ちを念入りに伝えることも大切です。

 ま、実際には今のままの疎遠なお付き合いが、これからも変わらず続くでしょうけど。

石原壮一郎・コラムニストのプロフィール