「いつも忙しそうにしている人」にモヤモヤする……
そんなあなたにお勧めしたいのが、400以上のチームを見て「人と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。「仕事の人間関係が良くなる!」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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時間に追われている人は、信頼を失いやすい
仕事ができないわけではないのに、なぜか社内外で距離を置かれてしまう人がいます。
共通するのは、「いつも時間に追われている」ということ。
打ち合わせの直前までバタバタしている。
メールの返信が遅れがち。
社外の予定はすぐに「忙しいので」と断る。
もしくは、ドタキャンする。
その姿は周囲から、「余裕がなく近寄りがたい人」として映り、信頼を失いやすくなります。
『チームプレーの天才』でも、このように指摘されています。
余白のない状態は、外からの見られ方にも悪影響をおよぼします。業務が忙しいのを理由に、他社とのコミュニティ活動などのドタキャンを繰り返す会社や人は、その会社や本人の本気度を疑われるばかりでなく、共創相手(他社の人たち)のモチベーションをもいたずらに下げるでしょう。
――『チームプレーの天才』(243ページ)より
余白は「自然発生」しない
さらに『チームプレーの天才』では、こうも述べられています。
余白は「余る」という字を使いますが、そもそも、時間が余るのを待っていてはいけません(というより、待っていても未来永劫訪れないでしょう)。
さらには生真面目な組織や人ほど、せっかく生まれた余白も、目先の仕事で埋め尽くしたくなる(あるいは誰かに埋められてしまう)もの。
――『チームプレーの天才』(242ページ)より
つまり余白とは“運よく生まれる時間”ではなく、「つくると決めない限り、永遠に生まれない時間」なのです。
「余白のある人」が実践していること
一方で、同じ忙しさでも、なぜか“好かれる人”がいます。
その違いはたったひとつ。
「余白をつくる意志を持っているかどうか」です。
そのポイントも、同書が明らかにしています。
余白を通常の業務に埋め込む、すなわち先回りして確保しましょう。
――『チームプレーの天才』(242ページ)より
そして同書は、余白を死守するための実践例として、下記のような方法を例示しています。
・定例会議の最初10分を余白時間とし、雑談や相談タイムとする
・アイデア出しの会議に必ず、外部の有識者を入れて話を聞く余白時間を設ける
・のんびり雑談や読書できるスペースをオフィスに設ける
・社内のTeamsやSlackに「雑談」チャンネルを設ける
・リフレッシュも兼ねた「振り返りワーケーション合宿」を定期的に行う
くわえて、「何より大事なこと」として、下記を推奨しています。
そして何より大事なのは、強い意志を持ってあなたの予定表に「未来時間」「重要な業務外の予定」などを入れて堂々と主張すること。ある日突然生まれた余白を無に帰させないためには強い覚悟と意思表示も欠かせないのです。
――『チームプレーの天才』(243ページ)より
余白とは“生み出されるのを待つもの”ではなく、“自ら積極的に確保するもの”なのです。
なぜ余白があるだけで、人は好かれるのか
余白がない人は、どうしても関係が雑になります。
連絡が遅い、依頼を断りがち、外部の活動に参加できない。
反対に、余白をつくれる人は、忙しさに流されません。
だからこそ、対応が丁寧で、約束を守り、周囲への気遣いができる。
結果として、社内外から「一緒に仕事がしやすい人」と評価されるのです。
忙しさは誰にでもあります。
しかし、余白をつくろうと決めるかどうかは、あなたの選択です。
余白とは、自分のための贅沢ではありません。
他者と健全に仕事をするための“信頼のインフラ”なのです。
(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の発売を記念したオリジナル記事です)





