イスラエル国防省が主催したイベントの様子PHOTO: ANAT PELED/WSJ
【テルアビブ】イスラエルは、パレスチナ自治区ガザでの戦争で効果が実証されたとして、最新軍事技術を売り込んでいる。そして欧米の購入希望者が列を成している。
ドイツ、ノルウェー、英国などの当局者が12月上旬、イスラエル国防省主催のイベントに殺到した。そこでは、ガザ、レバノン、イランでの イスラエルの激しい軍事作戦 で実証された軍事技術が紹介された。
ロシアの侵略に直面した欧州は軍備増強を進めており、軍事装備の進歩に対する関心もおのずと高い。この会合に参加した一部の国が、イスラエルによるガザでの戦争遂行に 懸念を抱いている にもかかわらずだ。
前述のイベントでは、参加者で埋め尽くされた講堂の大型スクリーンに、2機の攻撃ドローン(無人機)がガザ地区内の建物に飛び込み、海岸に沿って煙が立ち上る様子が映し出された。
イスラエルの防衛技術企業ユービジョン・エアーのラン・ゴザリ最高経営責任者(CEO)は聴衆に向かって、「左側に1機目が命中するのが見えます(中略)。そして2機目が別の標的に向かいます」と述べた。「これらは公開することが認められた映像の一部に過ぎません」
米政府の代表、民間企業の幹部、外国投資家も参加していた。インドからは正式な代表団が、ウズベキスタン、シンガポール、カナダからは当局者が来訪した。主催者によると、ガザで米建機大手 キャタピラー 製のブルドーザーが使用されたことを理由に同社への投資を引き揚げたノルウェーも外交官を派遣した。在イスラエル・ノルウェー大使館はコメント要請に応じなかった。
主催者によると、参加者数は前年よりもはるかに多かった。ガザを巡ってイスラエルが外交的に孤立しているにもかかわらず、同国の軍事技術が魅力を保っていることを浮き彫りにした。
国際刑事裁判所(ICC)は、このイベントに出席したイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアブ・ガラント前国防相に対し、戦争犯罪容疑で逮捕状を出している。両氏は不正行為を否定しており、イスラエルは両氏に対する告発の正当性に異議を唱えている。







