言葉から日本の習慣が見えてくる
1936年生まれ。早稲田大学卒業後、シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスを含むグローバル・エクセレント・カンパニー6社で40年にわたり社長職を3社副社長職を1社経験。2003年より住友商事を含む数社のアドバイザリー・ボードメンバーを務める。長年の経験と実績をベースに、経営者や経営幹部を対象とした経営とリーダーシップに関する講演・セミナーをし、国内外で「リーダー人財開発」の使命に取り組む一方で、経営者・経営者グループに対する経営指導、相談役も果たしている。自身のビジネス人生で得た実質的に役立つ独自の経営論・リーダーシップ論は経営者や次世代リーダーの心を鼓舞させ、講演会には常に多くの聴講者が詰め掛けている。
著書に『経営の教科書』(ダイヤモンド社)『伝説の外資トップが説く リーダーの教科書』(ダイヤモンド社)、『伝説の外資トップが説く 働き方の教科書』(ダイヤモンド社)、『コミュニケーションの教科書』(講談社)など。またオリジナル教材『経営・リーダーシップ実学』やCD教材等も。
新将命 公式サイト
新 私がサラリーマンだったころも、日本の企業では女性の経営者や管理職が、本当に涙が出るくらい少なかったですよね。今でもアメリカと比較すれば、日本は25年ほど遅れているでしょう。
結局、女性はアシスタントであるという既成概念の強い人が多いのではと思います。この意識や文化の壁の高さは、先進国の中で日本は金メダル。日本という国で最も未活用な国家資源は女性と言っても過言ではないでしょう。中国や台湾では女性がとても活躍しているのに。
経沢 どうしてなんでしょうか。
新 日本には今でも男女によって洗濯物を干す場所さえ違う地域があります。そういう習慣が残っている国なんです。たとえば女房のことを「うちの家内」って言いますよね。漢字を見ると「女性は家の中(内)にいる」ということが読み取れる。「奥さん」も同じ。女性というのは「家の奥」にいるものだと。実にシンボリックに表れています。うちの女房は家外だけどね。つまり外さん。
経沢 アクティブでいらっしゃるんですね。素晴らしいです。
新 うちの女房は例外でしょう。ですが、少しずつ世の中が変わりつつあるということも感じます。
たとえば、日立製作所や東芝といった日本のトラディショナルカンパニーでも、女性管理職の数を何年後にX%からY%に高めると宣言しています。あれはひとつの表れだと思いますよね。
経沢 そうですね。活用という言葉を使っている時点で、まだまだ先は長いとは思いますけれども、それでも指標を持っていただくというのは視野と選択肢が広がることなので素晴らしい取り組みだと思います。