「10年後の将来像を教えてください」回答につまづく人が多いこの質問、皆さんならどのように答えますか?
『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別な経歴や夢がなかった“普通の就活生”である著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分に合った就活メソッドを築き上げ、食品大手を含む22社から内定を獲得した実体験をもとにした、どんな学生でも内定に近づく一冊です。「自己PRで話せることがない」「インターンに参加していない」といった就活に不安を抱く学生と、そっと背中を押したい保護者に読んでほしい就活戦略が満載です。今回は、「10年後の将来像を教えてください」に対する一瞬で内定をとる人の答え方について著者である「就活マン」こと藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

就活 将来像Photo: Adobe Stock

「10年後の将来像を教えてください」

僕が就活生のとき、面接で「10年後の将来像を教えてください」と聞かれました。実はこの質問は出題頻度が高く、対策しておくべき質問です。

しかし、僕はこう思いました。

…いやいや!10年後の将来像なんてないわ!!

大学時代の僕は、モンスト(モンスターストライク)に課金しすぎて来月どう生きていくかで必死でした。そんな中、10年後なんて考えても適当な答えしか浮かびません。

では、こんな僕のような学生が10年後の将来像を聞かれたとき、どう答えればいいのでしょうか?

拙書『脇役さんの就活攻略書』にて、”普通の就活生が東大生に勝つための最強の思考法”として紹介した「なぜなぜ分析」が役に立ちます。

10年後の将来像が思いつかない時は、無理に考えたりせず、そのまま「なぜないのか?」を分析してみましょう。学生時代の僕は、このように深掘りしました。

なぜ10年後の将来像を考えることができないのか?

10年後なんて想像つかないから

なぜ10年後なんて想像つかないのか?

1週間後にさえ何が起こるか分からないから

なぜ1週間後にさえ何が起こるか分からないのか?

未来は予測不可能だから

こうして「なぜ?」と深堀りして、「未来は予測不可能だから、そもそも10年後なんて考えても意味がない」という考えに至ったのです。

多くの就活生が「10年後◯◯になります!」と答えますが、僕はこれに対して無責任で適当だと思っていました。なぜなら、僕の考えでは未来は予測不可能だからです。

そして、こうして思考を深めることで、10年後の将来像に対する答え方が見えてきました。

「あえて10年後の将来像は持たないようにしている」という答え

僕が面接で「10年後の将来像を教えてください」だったり、5年後の将来像を聞かれた時、次のように答えるようしていました。

「私は、数年後の将来像を“あえて”持たないようにしております。なぜなら未来は予測不可能であり、最も大切なことは与えられた目の前の仕事に全力を投じることだと考えているからです。10年後、目の前の仕事に全力を尽くした際に、達成したい目標を見つけ、それを叶えることで、貴社に貢献し続けていたいと考えております。」

この回答は、社会人になった今でも真理だと思います。そもそも、その会社で1日も働いたことがない人が、その会社での将来像を語ったところで信憑性に欠けますよね。

こう回答すると「企業理解が甘いと思われるのでは?」と不安になるかもしれませんですが、それは「自己PR」や「志望動機」などの他の質問でカバーできます。

この質問の対策を通して、適当な回答を用意しないことの重要性が伝わると嬉しいです。

面接官は何百人、何千人も面接しているプロなので、就活生が「こんな回答で良いだろうな」という適当な回答はバレます。

ぜひ面接で聞かれてうまく答えられなかった質問や、エントリーシートでうまく回答が浮かばない質問も、今回のように「なぜなぜ分析」をして「なぜ答えられないのか?」という本質を考えてみてください。

その訓練こそが、就活を通して得られる人生の財産になります。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです