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【ワシントン】米大統領執務室で11月に行われた会合で、半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)はドナルド・トランプ大統領に不吉なメッセージを伝えた。カリフォルニア州などで州ごとに人工知能(AI)関連法を制定していることが米国の技術開発を脅かしているというものだ。
会合に詳しい複数の関係者によると、フアン氏は州法の乱立により米国がAI競争で敗北する可能性があると述べた。これはホワイトハウスのAI担当責任者デビッド・サックス氏とAI担当上級政策顧問のスリラム・クリシュナン氏が会合で提示したメッセージと同じ趣旨だった。両氏はシリコンバレーと密接な関係がある。
関係者によると、トランプ氏はこのグループとスージー・ワイルズ大統領首席補佐官に、政権は大統領令でこの問題に対処すべきだと述べた。トランプ氏は会合の直後、トゥルース・ソーシャルへの投稿で、米国はAIに関して州ごとに異なる規則を避ける必要があるとし、1カ月にわたる論争を引き起こした。この騒ぎは今週、大統領令への署名で終結すると予想されている。この措置は一部の共和党員を怒らせる一方で、ハイテク企業に勝利をもたらす可能性がある。
トランプ氏は8日のトゥルース・ソーシャルへの投稿で「企業が何かをしようとするたびに50もの承認を得ることは期待できない」とし、「決してうまくいかない!」と述べた。
大統領執務室での会合から生じたこの行動は、共和党政治での大きな争点となり、来年の中間選挙における共和党のAIへの姿勢を方向付ける可能性がある。
最終的な大統領令が州のAI法に真の脅威をもたらす場合、トランプ氏は、元首席戦略官のスティーブ・バノン氏やジョシュ・ホーリー上院議員(共和、ミズーリ州)を含むMAGA(米国を再び偉大に)保守派の忠誠心を試すことになる。こうした人々は議会で州のAI法を禁止するという概念に反対し、そのような動きは、消費者保護のためのガードレール(安全策)を設けAIによる害の可能性を規制する州の能力を損なうとした。







