中学受験をする6年生にとって、受験直前期は、もっとも伸びる時期です。どうやって最終的な志望校や併願校を決めればいいのか、合否を分けるのは何なのか? 志望校合格のための「過去問対策」や「直前期の心構え」までが一冊にまとった『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著)から抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介します。
Photo: Adobe Stock
「問題の見極め力を磨く」ことを意識する
私たちプロは、子どもが受験に向けて順調に「仕上がっている」か「仕上がっていないか」で打ち手を変えます。そして、その「仕上がり」判定に使うのは、過去問です。
特に対策もせず、本番3ヶ月前に初めて解いた第一志望校の過去問の点数が、「受験者平均以上」であれば、その子は「仕上がりつつある」と考えます。学校や年度によって合格者平均と受験者平均の開きは異なりますが、そこまで細かく気にしなくてかまいません。
仕上がりつつある状態の子どもには、「問題の見極め力を磨く」ことを意識させます。
本書のP.180の手順に沿って、◯と判断した問題はしっかり得点し、×と判断する「捨て問」の見極めを素早くできるようにします。
また、合格者の大多数が正解する問題で落とさないことも非常に大切です。
つまり解答の「精度」を上げていくことが至上命題となります。それがどの問題なのかわからない場合は、塾や個別指導、家庭教師の先生に相談し判断してもらうといいでしょう。
終わった過去問にもう一度取り組む時には、初回のように一からすべてを解く必要はありません。
算数は、間違えた中で取れなくてはいけない問題(◯と判断したのに間違ったもの、△として解けるもの)を、P.182で算出した制限時間内で解くようにします。
ただし、あまりにもボロボロだった過去問は、期間をおいて再度取り組ませて自信を回復させましょう。仕上がりつつある状況なので、子どものコンディション不調、あるいは対策不足が考えられます(P.188参照)。
過去問が終わっていたら
塾などの指導で、早々に過去問を終えてしまった、という方もいると思いますが、幸い、3ヶ月以上前に解いた過去問の正確な答えは忘れている子も多いもの。
同じ過去問を何度も解かせたり、20年前までさかのぼって解かせたりといったことはせず、とにかく本番にピークを合わせることを意識して、解いた日付が古いものから(記憶に残っていないものから)粛々と解きましょう。
「もう解いてしまった!」と後悔する必要は一切ありません。
*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。




