オーガスタス・ドリッコ氏(25)は、米西部ユタ州のユインタ山脈の乾燥した山麓に立ち、目を細めて空を見上げた。彼は少数の気象学者とドローン(無人機)操縦士からなるチームを指揮している。若き経営者のドリッコ氏は、米国史上最大級の「クラウドシーディング(人工降雨)」プロジェクトを監督していた。2機のドローンが任務を終え、牧場に無事着陸するのを見守った。彼はそれ以前の世代と同じように雨を降らせようとしていた。「全てはこれに尽きる」。2時間の睡眠とコーヒー、ニコチンパッチ(禁煙補助薬)を頼りに働くドリッコ氏はこう語った。「(西半球最大の塩水湖である)グレートソルトレークの水をもっと増やさなければ、とんでもない問題が起きる」
陰謀論が阻む人工降雨 米新興の苦闘
ドローンとAIで人工降雨技術を最新化したレインメーカー社、「ケムトレイル」陰謀論者の標的に
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