嫌われる「迷惑な愚痴」と愛される「正しい弱音」…決定的な違いは“誰”に言うか
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 30代を悩まず生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】頭のいい人が「愚痴」を絶対に我慢しない理由…メンタル回復に効く“意外な相手”ベスト1Photo: Adobe Stock

正しい愚痴の吐き出し方

今日のテーマは、「正しい愚痴の吐き出し方」についてお話をしたいと思います。

一般的に愚痴は「嫌われるもの」「言わないほうがいいもの」とされていますし、私自身も半分はそうだと思います。しかし、それはあくまで「誰に対して言うか」という問題なのです。

他人への愚痴は「配慮不足」になりがち

全くの赤の他人に愚痴ばかり言っていると、当然相手は嫌な気分になりますよね。これは愚痴そのものが悪いというよりも、聞かされる相手への思いやりや配慮が欠けているという点で良くないわけです。

中でも一番良くないのは、「相手が知らない人のことを愚痴る」ことです。これは愚痴を言うことで得られる快感に依存してしまっている、いわば「愚痴依存」の究極形だと思います。

また、相手も知っている人の愚痴であっても、聞かされて気分の良いものではありません。もっとも、私は「愚痴ること自体」が悪いとは思っていないのです。

「自分の中心」で叫ぶならOK

では、どういう愚痴なら良いのでしょうか。それは、「自分自身、もしくは自分に一番近い人にこぼす」という方法です。これならギリギリOK、というよりむしろ必要なことだと私は考えています。

愚痴というのは、「もう私はこういうのは嫌だ」「しんどいんだ」という心の叫びです。「自分の中心で」で、自分にしか聞こえないところで「私はしんどいんだ!」と叫ぶのは大いにありです。

大切な人には、弱音を見せてもいい

また、本当に親しい人、例えばパートナーや仲の良い親子など、自分のことを大切に思ってくれている人に対してはどうでしょうか。

こうした近い関係の人たちは、本人が苦しそうに我慢していても、雰囲気でわかってしまうものです。「何かあったのかな」と心配もします。ですから、そうした相手に対しては、ヘンに隠さずに愚痴ってもいいと思うのです。

「自分は何がしんどいのか」を伝えることで、相手も事情が理解できますし、相手が「話を聞きたい、支えたい」と思ってくれている状況であれば、それは甘えても良い場面です。もちろん、相手への配慮を忘れず、依存しすぎないという切り分けができていることが前提ですが、安心して弱音を吐ける関係性は大切です。

「しんどい自分」を認めて、次へ進む

自分がしんどいということすら認められない状態というのは、実はかなり危険です。「辛くない、大丈夫だ」と自分を騙して生きていても、問題の本質を見ていないため、状況は改善されません。むしろ、しんどい状態がどんどん悪化してしまうこともあります。

だからこそ、たまには「しんどい!」と口に出して、今の自分の状態を認めてあげることが重要です。

「もうダメだ」「本当にしんどい」「もう嫌だ」

あえてネガティブなことを散々吐き出してみると、案外スッキリするものです。「もう十分言ったな」と思えたら、自然と「じゃあ、次はどうしようか?」と改善策を考えたくなるものです。

自分の中心、あるいはそのすぐ近くにいる大切な人の前で、「私はしんどいんだ」と呟いてみる。これは自分を守るためにも、現状を変えるためにも、結構大事なことなんです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。