「韓国でもし戦争が起きたら、兵士がいない。ロシアでは兵士が不足して囚人まで動員したでしょう。AIやドローン戦といってもそれを扱う人材がいないわけです。援軍として出征した北朝鮮には兵士が130万人近くいると伝えられています。

 韓国でもしウクライナと同じような事態が起きてしまったら、どうなるのか。そんなことを友人らと話していましたが、ただ心配ばかりしていても意味はない。直接できることから始めようと話がまとまって、シニアアーミーを立ち上げることになりました」

 予備軍とは、除隊後6~8年間所属するもので、年に数回招集され、訓練に参加することが義務づけられている。招集期間は半日から3日間ほどで、勤めている場合は休暇扱いとなる。海外居住の場合は自動的に免除される。

 予備軍の後は満40歳まで「民防衛隊」に所属し、年に1度簡単な訓練を受ける。防災活動など地域住民の安全確保や、有事の際の人命救助といった支援を行うことが主な任務とされている。こういった話を聞くと、韓国が休戦状態であることを改めて認識させられる。

強い危機感を持った男女
3000人がシニアアーミーに

 シニアアーミーの会員は男女合わせて3000人ほどだそうだ。加入条件は「韓国のために戦う意志がある人」で、他には軍務の経験など特別な条件はない。そのため、兵役経験はないが学びたいという20代男性に加え、女性も全体の2~3%ほどいるという。訓練は1年に1~2回行っていて、国防省の協力も得て、模擬訓練など予備軍と同じような内容を行う。

「登山ができる人ならば何も難しい訓練ではありません。特殊部隊の訓練とは違いますから。私たちの世代はみな健康に気を遣っていて体力もある人が多い。

 大事なことは、意志を持ってシニアアーミーに参加していることです。これが戦争の抑止力につながる。予備軍と同じように、もし戦争が起きればもちろん参加します」

 活動の運営費は1人3万ウォン(約3000円)の年会費のみ。足りない分は尹代表らが自腹で補っているという。