「団体を作るというと、国からの資金を当てにしているのだろうという固定観念が韓国社会にはありますが、私たちは自助でやっていこうと決めています。広報もしませんでしたが、メディアで報道されたこともあり、全国から会員が集まっています。もし、戦争になった際、これだけの人が参加する意志があるということが重要なのです」
「参加する意志」、尹代表はこの言葉に強く傍点を振った。
130万人の常備兵を持つ
北朝鮮にもはや対抗できない
尹代表は、130万人の常備兵という兵役資源を持つ北朝鮮に吞み込まれないように、シニアアーミーを立ち上げたのだと繰り返した。
50万人の兵役資源を確保するためには、徴兵制により毎年20万人の常備兵を取り込む必要があるが、2037年には、20歳の男性人口が20万人を割り込み約18万4000人に、38年には16万1000人になることが予測されており、単純計算でも約4万人が不足する。
では、これに対してどんな対策が考えられているのだろうか。
「尹錫悦前政権(任2022~25)が始まった頃、「人口の絶壁」が社会問題になりました。数年後には40万人の兵役維持は難しいともいわれ、この調整を逃すと30万人になるかもしれないという話も出ました。
この背景には、人口減少ともうひとつ、歴代政権が(有権者の支持を得るために)服務期間を短縮してきたこととも関連しています。兵役資源の減少は政治に利用された結果でもあるんです」
こう話すのは、国防・安全保障の専門家であるキム・ミンソク韓国宇宙航空産業協会副会長だ。
キム副会長は、全国紙「中央日報」で国防・安全保障を専門とした元論説委員で、李明博元大統領時代(任2008~13)には国防省のスポークスマンも務めている。
そもそも兵役資源としてなぜ50万人が必要なのだろうか。
「人口が減少すれば、現在の軍隊の枠、分隊から始まり軍司令まで続くこのいわば体系を維持できるのだろうかという疑念に端を発しています。10年ほど前は60万人台の軍隊でした。いくら兵器が高性能になったとしても、北朝鮮には128万人ほどの兵力資源がある。私たちの軍が50万人以下になれば、この体系を維持できなくなるのではないか、という漠然とした捉え方があるのです」







