キム副会長が続ける。

「世界的に軍事技術革新(MTR)が進められ、李明博大統領時代には兵器の性能や偵察能力が上がり、師団がカバーできる範囲が広がるという展望でした。そのため、この時から部隊の縮小と改編が進められて、以降も続いています。尹政権の時には『国防革新4.0』により4次技術に基づいた軍事力を推進しています」

 4次技術に基づいた軍事力とはAI(人口知能)を基盤とした有無人各体系をいう。

「ひとつの部隊は8~10人ですが、4次技術に基づいた体系では、人は部隊長、副部隊長、専門戦闘兵士2人程度で、あとは戦闘ロボット3台ほどの体系に代わる。戦闘ロボットの脚や腕は炭素繊維、重要な部位はチタニウムで保護されていて、軽くて強いことが特徴です。銃弾では倒れない。こうした部隊構成が今すぐではないですが、実現されていくでしょう」

感情を持たないAIが
躊躇なく人命を奪う時代に

 戦闘ロボットが、兵力資源の不足をカバーするという。戦闘ロボットには、人が遠隔操作をする無人機の他に、AIを駆使して自動的に稼働する「自律型致死兵器システム(LAWS)」があり、キム副会長が指すのは後者だ。

 韓国は2024年10月に大韓民国国際防衛産業展示会(KADEX。陸軍協会主催)を開催した。ここでアピールされたのは、AIを基盤とした無人化された兵器だ。

 防衛産業企業の1社「LIGネクスワン」は水上有無人複合体系の基盤となる「無人水上艇」などを展示し、財閥の現代グループの防衛産業企業「現代ロテム」は開発した多目的無人車両などを披露した。世界から27カ国の国防関係者が訪れたといわれている。

 パレスチナ自治区のガザ地区で戦闘を続けているイスラエルはAIを駆使した兵器やシステムの利用を公にしている。24年4月、「ラベンダー」といわれるAIを使ったデータベースが戦闘員と誤認した標的を割り出し、民間人が巻き添えになったことをイスラエルメディアが報じた。

 イスラエル政府は「ラベンダー」の存在については認めたが、戦闘員か否かを予測することには使用していないと報道の内容を強く否定している。

 国連では、LAWSについての議論は10年ほど前から始まっており、グテーレス事務総長は24年、「機械が自律的に人間を標的にすることに一線を越えてはならない」と訴え、26年までに禁止や規制に向けた法的拘束力のある文書を締結するよう各国に求めている。