米で「401kミリオネア」続々誕生、株高の恩恵Photo Illustration: Emil Lendof/WSJ, iStock

 米国で確定拠出年金「401k」によるミリオネア(百万長者)が増えている。

 多くの米国人が着実に貯蓄を増やし、3年連続で米国株が大幅なリターンを生み出したことから、退職金口座の残高は大きく膨らんでいる。2025年のホリデーシーズンを迎える中、個人投資家は100万ドル(約1億5600万円)の節目を超えた明細書を前に、高揚感に浸っている。

 米証券会社フィデリティでは、残高100万ドル超の「401kミリオネア」が7-9月期時点で65万4000人と、記録が残っている2000年代初め以降で最も高水準となった。福利厚生サービスを提供するアライトがデータを収集する約300万口座のうち、7-9月期時点で残高100万ドル超の口座は約3.2%を占め、22年末時点の2倍となった。資産運用会社ティー・ロウ・プライスでは、残高100万ドル超の加入者が約2.6%を占め、22年末の1.3%から上昇した。

 401kは給与から事前に所得税を差し引かれることなく直接、資金を投資できる制度だが、米民間部門の労働者のうち401kで貯蓄をしている人が半数を初めて上回った。その口座の多くは、かつてないほど株式市場との結びつきが強い。バンガード・グループが管理対象である数百万件の年金プランを調査したところ、30代後半の労働者は昨年、株式への投資配分比率が約88%だった。10年前の82%から上昇した。