集中力を奪う「急かされる脳」をリセットする不便な習慣
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 40代を後悔せず生きる言葉』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。
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散歩の時間に取り戻した「心のゆとり」
今日は「スマートフォンの使い方」についてお話ししたいと思います。先日、愛犬のトミくんの散歩に行く際、ふと思い立ってスマホを家に置いて出かけてみたのですが、これが非常に良い体験でした。
普段の私は、散歩中も無意識にスマホを持ち歩いています。しかし、よくよく振り返ってみると、せっかくの散歩中にもかかわらず、LINEの返信をしたりメールを返したりと、何かしらの作業をしながら歩いていることに気が付きました。
トミくんと触れ合い、のんびりといろんなことに思いを馳せるべき時間なのに、それができていなかったのです。
時間の使い方が劇的に変わる
今回、スマホを置いて歩いてみたところ、時間の使い方が劇的に変わりました。トミくんが歩く様子や周囲の景色をじっくりと眺め、自分の人生を振り返りながら「いろいろあったけれど、今は幸せだな」としみじみ感じることができたのです。
仲睦まじく散歩するご高齢の夫婦の姿が目に留まったりと、日常の何気ない光景に情感があふれるような、豊かな感覚を味わうことができました。
スマホが加速させる「せっかち」と不安
私は仕事柄、動画を撮ったり一日に何度もX(旧Twitter)でポストしたりと、一日の大半をスマホと向き合って過ごしています。スキマ時間があればすぐにニュースをチェックしてしまうため、脳が常に「急かされている状態」に慣れてしまっているのです。
もともと私はせっかちな性格ですが、スマホの影響でそれがさらに増強されていると感じます。例えば、LINEの返信が待てなかったり、既読がついているのに返信がないとソワソワしてしまったり……。
しかし、「スマホを見るのは1日3~4回」と決めてしまえば、常に返信を気にして落ち着かなくなる必要はありません。情報がすぐ手に入る便利さは、裏を返せば、私たちをせっかちにさせ、不安を増幅させる要因にもなり得るのだと痛感しました。
没頭する時間は「不便さ」のなかにある
最近、本を読もうとしても、横にスマホがあるとつい内容が気になって中断してしまい、読書に没頭するまでが「修行」のように苦しく感じることがありました。スマホを見る時間を制限すれば、こうした「集中力の途切れ」も解消されるはずです。
私は発信者として「アウトプット型」の脳になりがちですが、人生をより豊かにしてくれるのは「インプット」の時間だと思っています。
最近は「タイパ(タイムパフォーマンス)」が重視されますが、本来、勉強や読書といった学習の時間はタイパが悪いものです。本当に知識や技術を身につけようと思ったら、他に気が散らない環境で、一つの情報にじっくりと集中しなければなりません。そうした「不便さ」の中でこそ、質の高いインプットが可能になるのではないでしょうか。
スマホを置いて出かけてみませんか?
これからは、意識的に「スマホを見ない時間」を作っていこうと考えています。皆さんも、たまにはスマホを家に置いて外出してみてはいかがでしょうか。
スマホを使う時間を制限することで、せっかちな気持ちが落ち着き、目の前の景色や読書、電力、そして深い思考をより楽しめるようになるはずです。
まずは「15分間の散歩」や「食事中」だけでもスマホを物理的に離れた場所に置いてみることをオススメします。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。






