「いつも、考えすぎて損してばかり!!」
日本人は礼儀正しくて、とても優秀……なのに、日々必要以上に思い悩んでいないだろうか?
「“究極の合理思考”を身につければ、もっと楽しくラクになる」――。数十億規模の案件に関わり、インド人部下オペレーションを経験したインド麦茶氏は、「常に自分中心」「短期志向」「無計画で今を生きている」ように見える彼らに「日本人が幸せを謳歌するための“ヒント”」を見出したという。
新刊『インド人は悩まない』では、人口14億・上位1%が富の40%以上を所有する超競争・過密・格差社会を生き抜く人々の「規格外の行動力」と「抜け目なさ」の秘密を紹介している。今回はその魅力の中から一部をお届けする。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)
Photo: Adobe Stock
「島国・日本」で生きている日本人
円がドルやユーロに対してどんどん安くなり、日本人にとって、海外旅行のハードルが高くなってしまった。1ドル100円くらいだったコロナ禍前を懐かしく感じる。
海外旅行のハードルは高いが、年末の長期休暇くらいは、思い切って海外に出かけるのが絶対に良い。それは、あなたの過ごしている社会が、「極東の島国・日本」という非常にローカルな地域の常識で運営されていて、あなた自身もその制約の中で思考や行動をしているという事実を思い出すきっかけになるからだ。
「インド人」は世界的マジョリティ
旅行先はどこでもいいが、敢えて「自分が嫌いと思っている国」に行くのが面白い。なぜなら、その国でマジョリティとなっている人々は、あなたが不得意な分野や環境に対して、得意な人々かもしれないからだ。
日本人にとって、インドはそんな国の一つだろう。不便、汚い、臭い、嘘つき、お腹を壊す。インドに対してそういったイメージを持っている日本人は多い。悲しいかな大体当たっているのだが、今や世界の約6人に1人はインド人だ。「インドの人たちは、そんなところでどうやって14億人も暮らしているのだろうか」を観察することで、あなたにとってのマジョリティの生き方が再定義されるはずだ。
インドには、十分な教育を受けていない人も何千万人もいるが、14億人のインド民が、世界のマジョリティとして自然体で自分中心の暮らしを営んでいる。彼らは、あなたが日々考えすぎて悩んでいる「人様に迷惑かけたらどうしよう」とか「周りにこう思われたらどうしよう」とかそんなことどうでもいいかのように暮らしているのだ。
「当然」を疑うきっかけに
それはインドの話で日本は違います、という反論が聞こえてきそうだ。しかし、これはブラック企業に勤める人が、「当社のやりかたはみなさんと違います」と言っていることと同じだ。マジョリティを狭く考えてしまうと、自分を取り囲んでいるマイノリティをマジョリティと解釈してしまう。「これが当然です」と押し付けられている日本列島の常識が、むしろ非常に特殊ということもある。
旅行をきっかけに、マジョリティだと思っていた日本人々の存在が、実は世界的に見ればマイノリティであるということに気付くと、自分の人生を生きる邪魔になっていた制約から解放されるきっかけになるかもしれない。それはちょうど、ブラック企業で当たり前のようにブラック労働にあまんじていた労働者が、普通の企業の様子を見て、「やっぱりこれはおかしい」と気づき、正気に返ることと似ている。
「自分中心の人生」を追体験する
「周りはこうだけど、自分はそれと違うことをやってやろう」という自己変革は、心理的なハードルがあまりにも高く、特別な意志力がある人以外は、ただ本を読んだだけでは、生き方のベクトルを変えることはできない。大抵の自己啓発本やビジネス書はそういう、「なかなかできないこと」を指導してくるので無理がある。
『インド人は悩まない』は、できるだけ「追体験」という形で、“自分中心”で生きるインド民のリアルな姿をお見せしていく。「こういう人々がいるのであれば、自分だって自分の人生を生きてみよう」、そんな風に思えるきっかけになる体験をお届けできるはずだ。
(本記事は『インド人は悩まない』の一部を加筆・調整・編集した原稿です)









