元秘書は「日医の役員らが都道府県の医師会長らと一緒に地元の議員を回り、自分たちの利益に反するような医療政策に党で反対してもらったり、厚労省に口利きしてもらったりする」と言う。厚労省で診療報酬改定を担当した経験を持つ元幹部は「担当課の課長や補佐の机の前には、議員からの陳情をメモ書きした付箋がべたべたと貼ってあった」と話す。
05年に自民党の行政改革推進本部・規制改革委員会の合同会議で、医師免許更新制度の導入議論が持ち上がったときのことを日医の元役員が振り返った。
「ある人に電話して頼んだんですよ。『どうも(合同会議の)委員長が先生の派閥の家来らしいんですけど、言ってもらえませんか』と話したら、翌日朝一番で電話があって『あれは潰したからね』ということだった」
元役員が頼んだ相手は幹事長経験者だったという。医師免許は今でも更新の必要がない。
日医の意を受けた厚労族議員が
財務省主計局長に食らいつく
財務省も23年の夏以降、年末の診療報酬改定率決定に向け、政府与党への説明や根回しを続けてきた。
財務省関係者が説明する。
「財務省が7月、8月に医療政策や財源を徹底的に分析して、それを9月や10月の財政審で発表して世の中に発信する。それがまず空中戦。その後、11月の頭くらいに薬価調査の結果が出ると薬剤費の総額が分かるので、(薬価や医療材料費を除く)診療報酬本体の改定について個別議員への根回しが始まる。
財務省で議員への根回しを行うのは、主計局の次長や主計官。総理のところには1回の予算編成で7回行く。『今年はこういうテーマでやりますから』に始まって、最後は全体予算の億円単位の説明まで。その半分以上は社会保障についてだ。
総理に説明するたびに、自民党の幹事長、政調会長、総務会長にも説明する。それから公明党の3役も回る。自民党の厚労族も個別に全員回る。1周目は最初に財政審で資料が出たとき、2周目は薬価が出たとき、3周目は最後の12月。あと必要な議員のところには4回、5回と行く。







