もちろん、医師会側も同じようなことをやっている。厚労族のところには、財務省、厚労省、日医からアポが入る。それぞれ何と言っているか、それを互いに議員との会話の中で感じ取る。それで『この議員は理解がある』とか『あの議員は強硬だ』とか、何にこだわっているかが分かってくる。12月は厚労族が財務省の主計局長のところに、決起大会の決議文を持って来たりする。田村憲久さんのように党にいるときは医師会のために精一杯やって、大臣でいるときはそうした行動を控える議員もいる」

首相を超えるギャラを
受け取る日医会長の仕事とは

 都内のベテラン開業医は「日医の会長が行くと、首相でも大臣でも会ってくれる。なぜかと言えば、それは会員17万人の日医の看板を背負っているからですよ」と言う。

 24年度診療報酬改定をめぐり、日医会長の松本吉郎は首相や厚労相に直接、要望書を渡したが、健康保険組合連合会(健保連)や日本経済団体連合会(経団連)、日本労働組合総連合会(連合)など支払側6団体の要望書を厚労省で受け取ったのは、厚労相ではなく保険局長だった。その日医会長の最大の仕事は診療報酬のプラス改定であると、地方の有力医師会長が説明する。

「日医では、会長がプレーイングマネージャーみたいなものだ。毎日、医師会館に詰めるのは会長だけで、何かあったときは会長が差配する。会長、副会長、常任理事はそこそこの給料をもらっているけど、医師会という組織の成り立ちからして重要事項は会長がすべて決めて行う。仕事が集中しすぎているが、会長は医師会の顔なわけだから。医療に対する財源をどれだけ持ってくるか、それが会長の仕事の最重要事項だ」

 日医の規定で、月給は会長が240万円、副会長145万円、常任理事118万円。会長の給与は副会長の1.7倍だ。月給だけで会長の年収は2880万円となる。そこに月給の7カ月分を上限として賞与(ボーナス)が加わる。

 仮に最大7カ月分なら、年収は4560万円となる計算だ。総理大臣の年収は月給や賞与、地域手当で約4000万円だから、日医会長の年収は総理大臣を上回ることになる。