『周りに協力してもらえずに疲弊する人に共通する“残念すぎる特徴”』
それを教えてくれるのが、400以上のチームを見て「人と協力するのがうまい人の特徴」をまとめた書籍『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』(沢渡あまね・下總良則著、ダイヤモンド社刊)だ。「チームの空気が変わった」「メンバーとの関係性が良くなった」と話題の一冊から、その考え方について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
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協力が得られず「疲弊」していく人たち
職場でこんな言葉をこぼしたことはないでしょうか。
「ちゃんと説明しているのに、誰も動いてくれない」
「反対意見ばかり出て、前に進まない」
「結局、自分ばっかりが抱え込んでいる気がする」
本人は真面目で、一生懸命。
それなのに、なぜか周囲の協力が得られず、気づけば心身ともに疲弊していく――。
実はこうした人は、ある共通した“勘違い”をしています。
「全員を動かそう」という無謀
多くの場合、疲弊してしまう人ほど、
「みんなに理解してもらおう」
「全員を納得させてから進めよう」
と考えがちです。
しかし、組織にはそもそもグラデーションがあります。
その現実に気づけないと、反対意見や消極的な声に引きずられ、エネルギーを消耗してしまいます。
『チームプレーの天才』という本では、この前提をこう整理しています。
組織には「2:6:2(ニーロクニ)の法則」が作用しています。トップ2割がチャレンジを好み、ミドル6割が多勢に従い、ボトム2割は動かない(または怠ける)。
――『チームプレーの天才』(130ページ)より
重要なのは、これは人の優劣ではないという点です。
どんな組織でも、どんなチームでも、自然に生まれる構造なのです。
「動かない2割」に振り回されない人が、結果を出す
周囲に協力してもらえる人は、この構造を冷静に受け止めています。
そのため、全員を動かそうとはしません。
具体的に言うと、変化に抵抗し、動かない「ボトム」の人たちを無理に動かそうとはしません。
『チームプレーの天才』にも、こうあります。
そして忘れてはならないのが、ボトム2割との向き合い方。この層の反対意見や抵抗に(組織やチームが)振り回されすぎないようにしましょう。
――『チームプレーの天才』(133ページ)より
まずは、チャレンジに前向きなトップ2割としっかり組む。
そのトップ2割の動きに興味を示しだしたミドル6割が安心して参加できるよう、場や機会をつくる。
その流れができれば、事態は前に進み始めます。
反対意見ばかりが目につくと、ついそちらに意識を奪われがちです。
でも、そこに時間や労力を割くのは無駄なことです。
無理に全員を動かそうとしない。
それが、周りに振り回されず、疲弊しないための現実的なコツ。
そして、他者と手を組んで大きな結果を出せる「チームプレーの天才」の特徴なのです。
(本稿は、『チームプレーの天才 誰とでもうまく仕事を進められる人がやっていること』の発売を記念したオリジナル記事です)







