「参拝の質」を下げないために
何時間も行列に並び、人混みにもまれて疲弊し、後ろからの圧力を感じながら数秒手を合わせるだけの参拝……。これでは、せっかくの神社参拝の「質」が著しく下がってしまうと言わざるを得ない。
私が提唱する「神活(神社参拝活動)」の基本は、神社という空間でセロトニンなどの脳内物質を分泌させ、「気持ちよく過ごす」ことにある。「ああ、空がきれいだな」「清々しいな」とポジティブな感情になることで、脳のパフォーマンスが上がり、結果として「運のいい人」になる。それがご利益の正体だと考えている。心身ともにリラックスできる状態でなければ、この効果は半減してしまうのだ。
賢い人は「時期」と「場所」を選ぶ
そもそも、今回紹介したのはメジャーな神社ばかりだが、必ずしも有名な場所へ行く必要はない。あなたの家の近くにある地元の神社へ足を運ぶ。それで十分だ。地元の神社ならば、三が日であってもそこまで殺伐とした混雑はないだろうし、何より普段から自分たちが暮らす土地とのつながりを再確認し、感謝することこそ、開運の基本である。
また、拙著でも触れたが、神社とセットであることが多い森にはフィトンチッドなど癒やし効果があり、「森林浴」としても最適だ。清浄な空気を吸うだけで免疫力が高まり、脳が活性化するという科学的なメリットも見逃せない。
そこで引くおみくじ、手にするお守り、ご祈祷……。これらはエンターテインメントとしても、マーケティングの仕組み(満足度を高め、自発的な対価を生むシステム)としても非常によくできている。斜に構えず、その世界観を素直に楽しむこと。それが脳をポジティブにする秘訣だ。
もし、今回紹介したような有名神社へ行くなら、私は世の中が落ち着いた1月中旬以降に参拝することを強くオススメする。あるいは、年末のうちに一年のお礼を伝える「お礼参り」を済ませてしまうのも、混雑を避けて価値を独占できる、非常に賢い戦略だ。素晴らしい神社だからこそ、人混みでその価値を損なわず、ベストなコンディションで味わってほしいのだ。
2026年、あえて皆と違うタイミングで動き、余裕を持って「決意」を伝える。そんな「賢い戦略」がとれる人こそが、丙午の激動の時代を勝ち抜いていけるのだと、私は信じている。








