今回のサウナ店を「反面教師」にすると、やはりまずマストでチェックしなくてはいけないのは「ドア」である。

 一般的なサウナの扉というのは押したら開くようになっているが、今回のサウナはいわゆるドアノブを回して開けるタイプの扉。何らかの理由でドアノブが落ちて、開けることができなくなってしまっていた。

 という話をすると、「ドアノブのついたサウナなんて見たことがない!」という人もいるだろう。確かに十数人が利用できるような大型温浴施設のようなところでは、このような扉を見かけることはほとんどないが、今回の事故の舞台になった「プライベートサウナ」では稀に存在する。

 具体的な施設名を挙げるといろいろ差し障りがあるので伏せておくが、たとえばある有名温泉地にある貸切サウナ施設の写真を見ると、普通にドアノブのついた扉になっている。

 筆者も昔、ある観光地に泊まった旅館で屋上に個室サウナがあるというので向かったら、組み立て式の家庭用サウナ小屋のようなもので、ドアも回す式のノブがついていてちょっとびっくりした経験がある。

 実際、海外で販売されている家庭用サウナの中にもドアノブ式の扉がある。海外の家庭用サウナメーカーのホームページを見ると、サウナの扉にノブがついていることが確認できた。

 そのためなのか、海外でも今回の赤坂とまるっきり同じような悲劇も起きている。2017年、チェコの北部の街で家庭用サウナに入っていた65歳の母親と、45歳の娘が、ドアノブが外れたことで閉じ込められてしまい、亡くなったのである。やはり2人は必死に脱出を試みたのか窓を割ろうとした痕跡が残っていたという(2017年04月17日 ハフポスト日本版 https://www.huffingtonpost.jp/2017/04/17/sauna_n_16055668.html)。

 このような過去の悲劇を振り返ってみると、どんなにオシャレでラグジュアリー感のある施設であっても、サウナの扉がドアノブ式ということは海外から家庭用サウナキットを輸入して流用している可能性もゼロではない。安全のためにも避けるべきなのだ。