鈴木憲和農林水産相 Photo:JIJI
「おこめ券」に隠された、政府の真の狙いとは?「物価高対策」という美名の下で行われているのは、国民を救うことではなく、米価の高値を維持し、特定の業界を潤す“マッチポンプ”かもしれません。実は、この奇妙な政策の根底には、戦前の日本がお手本にした「ある独裁国家」の思想が色濃く残っています。農水族エリートがひた隠す、現代の「国家による農業統制」の恐るべき実態を暴きます。(ノンフィクションライター 窪田順生)
賢明な日本人は気づいている
農水族の農水大臣の嘘
農水族からJA全農への利益誘導、マッチポンプ…そんな容赦のない批判があふれる「おこめ券」に、今度は「高止まりしている米価をキープさせる狙いがあるのでは」という疑惑が持ち上がっている。
今、スーパーなどで売られている米は5kg4321円(農水省によるスーパー・量販店での米の販売価格、12月12日)だが、米卸業界では早ければ年明けにも価格が暴落するのではという憶測が広がっている。今年産のコメが余る見通しだからだ(農業協同組合新聞 12月12日)。
だが「おこめ券」によって、そこまで値下げしなくていい可能性がある。
通常のおこめ券には使用期限がないが、今回の経済対策のものは「来年9月30日」までしか使えない。受け取った国民は問答無用で、米に引き換えなくてはいけないので、余り気味のコメの「在庫処分」が進む。つまり、コメ暴落のダメージを軽減して、価格維持につながるというワケだ。
そんな「疑惑」について鈴木憲和農水大臣は12月16日の閣議後、会見で否定した。おこめ券の米価格への影響は「限定的」「ほぼほぼない」と述べたのである。
だが、賢明な日本人は知っている。「農水族の農水大臣」がコメについて語ったときというのは、往々にしてその場しのぎの「テキトーな嘘」であるということを。
わかりやすいのは、一昨年夏に始まった「令和の米騒動」における江藤拓大臣だ。







