成功の裏に潜む“執着”を乗り越える3つのステップとは?
誰にでも、悩みや不安は尽きないもの。とくに寝る前、ふと嫌な出来事を思い出して眠れなくなることはありませんか。そんなときに心の支えになるのが、『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』(ダイヤモンド社)など、累計33万部を突破した人気シリーズの原点、『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)です。ゲイであることのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症――深い苦しみを経てたどり着いた、自分らしさに裏打ちされた説得力ある言葉の数々。心が沈んだとき、そっと寄り添い、優しい言葉で気持ちを軽くしてくれる“言葉の精神安定剤”。読めばスッと気分が晴れ、今日一日を少しラクに過ごせるはずです。

【精神科医が教える】なぜ実績がある人ほど「スランプ」に陥るのか? 実績を積むほど弱くなる人の共通点Photo: Adobe Stock

成功の裏に潜む「守り」の姿勢

どんな人でも、若い頃や何もない時期は「自分には失うものがない」という強みがあります。「とにかくこれで成功したい」という純粋な思いで、あれこれと試行錯誤しながら攻めの姿勢で突き進むことができます。

しかし、その努力が実を結び、大きな実績や評価を得るようになると、状況は一変します。実績が積み重なれば積み重なるほど、今度は「この実績や評価を失いたくない」という心理が芽生えてくるのです。

これは仕事でも、プライベートのSNSフォロワー数でも同じです。積み上げたものが大きくなればなるほど、人は無意識のうちに「守り」の姿勢に入ってしまいます。そして、守りに入ると「執着」が強くなるのです。

「自分軸」から「他人軸」への変化

なぜ守りに入ると執着が強くなるのでしょうか。その根本的な理由は、物事の判断基準が「自分軸」から「他人軸」へと移り変わってしまうからです。

何もない時期(自分軸):自分がやりたいからやる、面白いからやる。結果を「足し算」で捉える
実績がある時期(他人軸):「評価を落としたくない」「過去の人だと思われたくない」という恐怖が先行

「失いたくない」という気持ちの根底には、「周りからどう見られるか」という他人軸の視点があります。これが焦りや不安を生み出し、人間を弱くさせてしまうのです。

執着が引き起こす「スランプ」の正体

私は、執着を「失いたくないという気持ち」と定義しています。執着が強くなると、本来やりたかったはずのことが、いつの間にか「こなさなければならない苦痛」に変わってしまいます。

執着に振り回されると、なりふり構わず数字や評価を追いかけ、どんどん自分らしさ(自分軸)を見失っていきます。その結果、皮肉なことに周囲からの支持も落ちてしまう。これが、いわゆる「スランプ」の正体ではないでしょうか。

そのまま放置すると、やる気が枯渇し、最終的にはその活動自体を諦めてしまうことにもなりかねません。

執着を乗り越える3つのステップ

もし今、あなたが「うまくいっているはずなのに不安だ」「昔のように楽しめない」と感じているなら、それはあなたが成長し、次のステージに進んでいる証拠でもあります。この「守りの時期」を乗り越えるためには、以下のプロセスが大切です。

1.「これは誰もが通る道だ」と自覚する
守りに入ってしまうのは性格の問題ではなく、構造的な問題。まずは「自分は今、成長の過程で守りに入っているんだな」と客観的に自分を見つめましょう。

2.自分軸(原点)を再確認する
「自分はそもそも、なぜこれを始めたのか?」「本当は何を成し遂げたかったのか?」というコアな部分を徹底的に問い直しましょう。

3.「執着」を「意志」に書き換える
評価を維持すること(執着)ではなく、自分がやりたいことを貫くこと(自分軸の意志)に集中できる人は、結果的に長く、強く走り続けることができます。

今、もし何かに怯えたり、足踏みしたりしている自覚があるのなら、少し立ち止まって自分の内側を確認してみてください。他人軸の評価という重荷を一度下ろし、「自分のための自分軸」を取り戻すことで、再び物事がうまく回り始めるはずです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。