「答えがわかったときの爽快感がスゴい!」
と話題になっているのが、書籍『もっと!!頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』(野村裕之著、ダイヤモンド社刊)だ。Google、Apple、Microsoftといった超一流企業の採用試験でも出題され、“考える力”を鍛える知的トレーニングとしても注目される「論理的思考問題」の傑作を紹介している。前作『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』は2024年の年間ベストセラー4位(ビジネス書単行本/トーハン調べ)になるなど、大きな話題に。
ビジネス書であるにもかかわらず、「本を読まないウチの子が夢中で読んでいた!」「脳トレとして楽しんでます!」といった声も殺到し、全世代から反響を得ている。その同書から、内容の一部を紹介しよう。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
『もっと!!頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』「はじめに」より
なぜ「論理的思考問題」は人気なのか?
「論理的思考問題」は、いっけんただのクイズのように思われるかもしれませんが、そこには共通する以下の特徴があります。
特別な知識を必要とせず、問題文を読んで論理的に考えれば答えが導ける。
博識であったり、ひらめきの才能があったりする人ではなくても、目の前にある事実を「ちゃんと考える」ことで正解に辿り着ける問題です。
だからこそ、純粋な地頭力を測る指標としてGoogle、Apple、Microsoft などの世界的企業が採用試験で用いています。
こういった論理的思考問題を、思考力を高める「知的トレーニング」として紹介した書籍『頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』は、2024年3月の発売からわずか1年足らずで累計25万部になりました。
なんとアメリカ、イタリア、オランダ、スペイン、ブラジル、中国、台湾、韓国、タイからもオファーが来て出版が決まったそうです。
「じっくり考える」ことが必要な時代
なぜ論理的思考問題は、年齢も性別も関係なく、そして海外でもこれほど多くの人に支持されているのでしょう?
その理由はいくつかありますが、第一に、「直感が通用しづらい時代」になったことです。
多くのビジネス書でも言われていることですが、いまは変化の激しい時代です。感染症、地政学的リスク、急速な技術革新、気候変動……明日、何が起きてもおかしくありません。
そんな時代ですから、仕事でも人生でも、「これまでどおり」が通用しづらくなりました。「こんなときは、こうすればいい」と、直感で判断することが難しくなったんです。
こうした状況で、目の前の事実をふまえて「ちゃんと考える」姿勢が求められるようになってきました。
ノーベル賞受賞者が提唱した「これから重要になる思考」とは
この背景をわかりやすく伝えているのが、2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの著書『ファスト&スロー』です。
アメリカの心理学者・行動経済学者である彼は、この本のなかで、人の思考には「システム1」と「システム2」があると示しています。
システム1とは、「直感」。過去の経験やこれまでの常識にならって瞬時に答えを出す思考です。
反射的に答えを出すシステム1の思考は、エネルギーを使わないですし、効率的ではあります。
ですが変化の激しい現代においては、過去の経験にもとづいた直感的な判断は、ときに間違った結論を導いてしまいます。
そこで、反射的な「システム1」の思考に対して、情報を整理し、仮説を立て、じっくりと検討していく「システム2」の思考がますます重要になっていると、カーネマンは説きました。
「論理的思考力」は、「学力」とは関係ない
システム1の思考だけでは間違った答えを導いてしまう例として、『ファスト&スロー』では下記の問題を紹介しています。
直感で「10セントかな?」と考えた人は、システム1の思考が強いかもしれません。
正解は「5セント」だからです。
これ、まさに論理的思考問題です。
前作の冒頭でも、似たような問題を紹介しました。
そして前作をお読みいただいた方ならご存じのとおり、こういった3つの問題をハーバード大学やイェール大学などの世界的超名門校の大学生に出題したところ、
全問正解者はわずか17%しかいませんでした。
たとえ勉強ができたとしても、不確かで変化の多い時代を冷静に生き抜くための「システム2」の思考、つまり論理的な思考力が高いとは限らないということです。
だから、勉強だけでは高められない論理的な思考力を高めるためのトレーニングとして、「論理的思考問題」が求められたのだと思います。
(本稿は、シリーズ最新作『もっと!! 頭のいい人だけが解ける論理的思考問題』から抜粋した内容です。本シリーズでは「読むほどに賢くなる論理的思考問題」を多数紹介しています)











