全国的に「知名度が高い食材」が多い北海道
福岡の「屋台」は街の雰囲気と一緒に記憶に残る
2025年の「食事がおいしい都道府県ランキング」では、地域名と結びついた料理や食文化を持つ都道府県が上位を占めた。順位を追っていくと、料理の種類が多いというよりも、「その土地と聞いて何を思い浮かべるか」が評価に影響していることが見えてくる。
ブランド総合研究所の田中章雄社長は、「食の評価は、味だけで決まるものではない。その地域を代表するような具体的な食のイメージが明確なであるほど、都道府県全体の評価にも反映されやすい」と話す。
1位は前年に続き北海道(45.2%)だった。ジンギスカンや海鮮丼、スープカレーなど、全国的に知られる料理が多い。「カニ」や「じゃがいも」などの食材や、「白い恋人」などの商品も多く挙がっている。
北海道の特徴は、特定の一品に評価が集中していないところにある。札幌市を中心に、道内各地の海産物や農産物、加工食品まで含めて「北海道の食」として想起されている。
札幌市について田中社長は、「北海道中のよいものが集まっている」と評価しており、地域全体の食のイメージが、今回の順位につながっていることがうかがえる。
2位の福岡県(31.0%)も、料理の幅広さが支持を集めた。博多ラーメンやもつ鍋、水炊きのような定番に加え、天神や中州に広がる屋台文化が「福岡の食」を象徴している。食事そのものだけでなく、街の雰囲気と結びついた体験として記憶されやすいのが強みだ。
3位の大阪府(30.3%)は、お好み焼きやたこ焼き、串カツのような粉もの文化が根強い。「食い倒れの街」というイメージはいまも健在で、食を目的に訪れる地域としての印象が評価を支えている。







