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人口減少で国内市場の縮小が進む戸建て住宅業界。積水ハウスや大和ハウス工業などは米国市場や物流施設の建設などに活路を見いだし、好調を維持している。その一方で、中堅中小の住宅メーカーや地場の工務店は経営危機に直面しているのだ。特集『住宅メーカー総力戦』の本稿では、帝国データバンクの倒産件数を基に、経営危機に直面している住宅メーカーの実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 宮井貴之)
2025年の新築着工件数は過去61年で過去最低
事業の転換図れない中堅・中小が経営の危機
国交省が2026年1月30日に発表した25年の新築着工戸数は、前年比6.5%減の74万0667件となった。3年連続の減少であり、過去61年間で最低を記録した。
国内の人口減少に加えて、人件費や資材の高騰による販売価格の高止まりが要因とみられる。住宅の利用別で見ると、持ち家と分譲住宅の減少幅が大きく、それぞれ約8%減少した。(下図参照)
こうした市場の縮小に合わせ、大手住宅メーカーは住宅に頼らない事業への転換を急いでいる。
業界の中で最も成功を収めているといえるのが、大和ハウス工業だ。直近の新築住宅着工戸数で見れば5067戸と、ライバルである積水ハウス(8552戸)や住友林業(7921戸)に劣るが、売上高は2社を大きく上回る5兆円を稼ぎ出す。
強さの源泉は、戸建て住宅事業に頼らない多角的な事業ポートフォリオにある。祖業はプレハブ住宅だが、現在はデータセンターや物流施設、商業施設と幅広く事業を展開。25年11月にはデータセンターの施工を手掛ける住友電設を買収した。55年に10兆円を達成するという創業者の夢の実現に向けて余念がない。
ただ、大和ハウスのように事業の多角化で成長を遂げているのは、ほんの一握りにすぎない。国内市場の縮小に合わせて、中堅・中小の住宅メーカーは経営の危機にひんしているのが実態だ。では、具体的にどういった業種が窮地に追いやられているのか。
次ページでは、帝国データバンクの倒産件数を基に国内の住宅メーカーが抱える課題を明らかにする。








