「このカードとこのカードがあって……」という具体的な状況ではなく、「相手のデッキはこういうタイプで、状況はこうだから、こう!」という程度の、ざっくりした抽象度で解釈しましょう。

 他人のプレイを基準にしている以上、まったく同じ意図で解釈できるかはわかりませんし、そのお手本に誤りがある可能性も排除しきれません。しかし、そうだとしてもはじめは問題ありません。見たことのない別の状況でも「このプレイヤーならこうするはず」と考えられるところまで、理論を作り上げましょう。

『カードゲームで本当に強くなる考え方』書影『カードゲームで本当に強くなる考え方』(茂里憲之 ちくまプリマー新書、筑摩書房)

 理論は間違っていても問題ありません。そもそも、他人がどうやって考えているかを完全に理解するのははじめから無理です。それでも、理由付けして理論をもてば、ゲーム全体をストーリーとしてつなげて見ることができます。その1つ1つに関連性を持って解釈していれば、改善点が見つかったとき、連鎖的に全体のプレイがアップデートされることになります。

 理論は一発で完成するものではなく、修正を繰り返して作っていくものです。頭の中で思い浮かべたデッキが一発で最強デッキであることは稀で、試行錯誤を通じて作り上げていくのと同じように。

 まずははじめの理論を持つことです。理論でつながったものの見方ができるようになれば、状況ごとの暗記から、良いプレイ・悪いプレイの理解へと変化していきます。プレイを一通りの理論でつなげることが、一から十を学ぶための第一歩です。わからないことの砂漠の真ん中で砂を集める感覚を、空から世界を俯瞰して、全体像を適宜修正しながら把握していく感覚に変えていきましょう。