同書より転載
なかなか勝てないとき、人は「もっと練習しなければ」と考えがちだ。しかし負けを招いているのは努力不足ではなく、自分でも気づいていない「思い込み」。そう指摘するのはプロカードゲーマーの茂里憲之氏だ。何通りも戦い方が存在するカードゲームの世界で磨かれた思考法には、成長を止めないためのヒントが詰まっている。※本稿は、プロカードゲーマーの茂里憲之『カードゲームで本当に強くなる考え方』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
当たり前という考えが
「正解」を遠ざける
カードゲームではルールやカードに書いてあることしか起こりえません。なぜ、「考えもしない手」なんてものがあるのでしょうか?それを考えるのに十分な情報は常に示されているはずなのに、おかしな話ではありませんか?
カードゲームをプレイする上で、私たちはしばしば「このカードはこう使うものだ」という思い込みにとらわれることがあります。それはあまりに自然な感覚であるがゆえに、自分が思い込みをしていること自体に気がつきにくい厄介な現象でもあります。
あるモノやアイデアを特定の用途や機能でしか使えないと考え込んでしまうことを「機能的固着」と呼びます。新たな用途や組み合わせが存在するかもしれないのに、それを認識する前に「これはこう使うものだ」と決めつけてしまうのです。
よく知られた例として、心理学者のカール・ドゥンカーが実験した「キャンドル問題」があります。被験者に与えられるのは、テーブルと壁、そしてロウソク、マッチ、画鋲が入った箱。課題は「ロウソクを溶かさず、垂れたロウのしずくでテーブルを汚すこともなく、ロウソクを壁に取り付ける」ことです。







