「やましいことがあると…」浮気疑惑の“言動あるある”は明治時代から変わらない!?〈ばけばけ第74回〉

「一緒になった人は島根の宝。もう何も悩まんでいいね」

 ヘブンの頬、ひげの先のほうに口紅のあとのようなものが!

 ヘブンは気づかず、パイナップルをお土産だとフミに渡す。

 なんともベタベタな展開。酔ったお父さんが口紅のあとをつけて帰ってきて、玄関先でひもにぶら下がったお土産(料理屋でもらう手土産みたいなもの)を渡すビジュアル、昭和のサラリーマン家庭の描写によくあったやつだ。21世紀生まれの人は知らないかもしれない。

 ここで司之介は「やましいことがあるとお土産を買ってくるのは世界共通」と言う。

 トキは司之介の冗談を本気にして、あとでこっそりパイナップルで口づけの練習をはじめる。健気(けなげ)である。

 そこにヘブンの「オーマイガー」の叫び声が。

 フミがヘブンの叫びを心配するが、書き物している時は開けない約束(鶴の恩返しか)とトキはヘブンの部屋にかたくなに入らない。

 ヘブンが鏡を見て、自分の口元に気づいて叫んだのかもしれない。オーマイガーと叫びたかったのは、ヘブンの口元を見たトキのほうだろう。

 口紅疑惑はいったん置かれ、サワ(円井わん)のターン。

 置いていかれた橋の向こうで、サワが花を摘み、トキの家を訪ねて来る。

 いつもの野の花をささやかに束ねて。でも、新居の玄関に、巨大で豪華な生け花が飾ってあり、自分のそれと比べると気恥ずかしくなったのか、サワは、庭の茂みに慌てて捨てた。

 この感じ、共感しかない。何か場違いな気がして持っているものをこっそり隠すことってある。

 トキは気づかず、無邪気に喜ぶサワを家の中に通し、例のお菓子、若草を出す。

「おいしすぎて罰が当たりそう」とサワは「何のお祝いも持ってきちょらんで」と恐縮する。ほんとはお祝いを持ってきたけれどそんなお祝いはもうトキには必要ないと感じていることを、サワはここで一気に口にする。

「それにしてもすごいね。こげなもん、食べられて。こげに立派な屋敷に住んで あげに立派な花が飾られちょって。一緒になった人は島根の宝。もう何も悩まんでいいね」

 それを受けたトキは「そげなことないよ」と返す。「実はいろいろあって……」。

 トキのいまの悩みは、ヘブンの浮気疑惑だ。貧乏や借金や先の見えない将来の心配ではなく、夫の浮気。

 すると、そこに借金取りの銭太郎(前原瑞樹)が駆け込んできて、「わしが来んかったら踏み倒すつもりだったんか」と喚き散らす。

 フミが「おわびというわけではございませんが、今月分きちんとお返しいたします。ご容赦ください」と出した札束は、ひーふみよー……100円。

 その声を聞いて、はっとなるサワ。

 銭太郎も怒って帰っていく。

「返しちょるのになして……」と戸惑うトキ。

「なんだかもうごめんなさい」とサワは――。