公務員組織における「言語化」への課題意識
――一般の企業だと、売上などのわかりやすいゴールがありますが、公務員の場合は必ずしもそうではありません。その中で「コミュニケーション」や「言語化」というキーワードが注目された背景には、どのような課題意識があったのでしょうか。
新倉:公務員の職場では「より良い公務を通じて国民の幸せに貢献したい」と考える職員が働いています。
たしかに、民間企業のように利益や売上などの数値目標とは異なるものを目指すことが多いという側面があるかもしれません。
しかし、私たちには「全体の奉仕者として担当業務を通じて国民の生活を豊かにする」という明確な目的があります。
その目的に向かって、より良いやり方・効率的な進め方を模索している職員は多く、今回のセミナーにもそうした前向きな思いで参加してくださった方が多数いました。
一方で、これは民間でも同じだと思いますが、いまは多様性の時代です。
たとえば、50代と20代の間では感覚や価値観が違うことが多々あるでしょうし、コミュニケーションの取り方も大きく変わっています。
以前は出社して、上司や先輩がお客様と対面や電話で話す様子を聞きながら、目や耳でスキルを得ることができました。しかし今は、メールやチャットでのやりとりが非常に多くなり、文字でのコミュニケーションが増えています。
そのため、コミュニケーションギャップが生まれやすくなっています。
「伝えたつもりでも伝わらない」「言葉の選び方の違いで誤解される」といったことが起きてしまいます。
実際に管理職やプロジェクトリーダーといった組織を引っ張る立場の方々の間で、コミュニケーションに悩む声が増えてきたように感じます。
伝えるべきことを“きちんと伝える”方法を探していたときに、「言語化」というキーワードに出会った次第でした。
――なるほど。新倉さんご自身は言語化で悩んだ経験はございますか。
新倉:もちろんです。意図した通りに伝わっていなかったということは多々あります。
伝えるタイミングや、相手が受け入れやすい表現の選び方など、考える要素は本当に多いですよね。
そうした意味で、私自身も日々「どう言えば伝わるのか」と悩むことがたくさんあります。
――本当に、民間企業でも公務でも働く上での悩みは共通していますね。
受講者から寄せられた反響
――セミナー後、参加者のみなさんからはどのような感想が寄せられたのでしょうか。
新倉:担当者として、受講者アンケートから感じ取ったことは、「木暮先生の軽快かつわかりやすいお話にぐっと引き込まれた」、「あっという間の2時間だった」という声が多数寄せられたことです。時間を忘れるほど集中して聞きたいという空気感の中で、多くのエッセンスを伝えていただきました。
「伝えたいことをきちんと伝える」「伝えにくいことでも言葉にして伝える」――そうした表現力の向上を目的としてお願いしたセミナーでしたが、受講者からも「日常的に使用しがちな抽象的表現が、部下にとっては心理的障壁になり得ることに共感できた」などの反応があり、実際には、コミュニケーションを軸に自分のリーダーシップを考えることにつながる内容だったと感じています。
「正解を必ずしもリーダーが持っているわけではない」というお話があったのですが、担当者としてはそこが非常に印象に残ったところです。
受講者アンケートでは、
「実際に取り組めそうなアクションが多く紹介されていた」
「体験を交えた話がわかりやすかった」
「自分の悩みにフィットした内容で、翌日から実践できるイメージが持てた」
といった声が数多く寄せられました。



