説明組み立て図鑑写真はイメージです Photo:PIXTA

「もっと流暢に話せたら……」「プレゼンテーションが上手くなったら、きっと仕事に有利なのに」。そう思いながら話し方のテクニックを磨いていませんか? 実は、その努力こそが、あなたの説明を「伝わらない迷宮」に迷い込ませている元凶かもしれません。『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』の著者・犬塚壮志氏は、「説明のうまさとはペラペラと流暢に話すことではないし、“説明力”は才能ではなく、努力で高められる」と指摘します。どうやったら相手に伝わる説明ができるのか?説明のプロが解説します。(大学受験専門塾「ワークショップ」情報科講師/株式会社士教育代表取締役 犬塚壮志)

「話し方」を磨くほど、あなたの説明は伝わらなくなる

「どうすれば、もっとうまく話せるようになるんだろう?」
「あの人のように、よどみなく流暢(りゅうちょう)に話したい……」

 人前で話すときや、上司への報告、クライアントとの商談の場面で、このように頭を抱えたことはないでしょうか。

 多くのビジネスパーソンは、「説明力を高めたい」と考えるとき、まず「話し方」そのものへの憧れや悩みを思い浮かべます。本屋に行けば「話し方」のテクニック本が山のように積まれ、私たちは「いかに噛まずに話すか」「いかにかっこいい身振り手振りを交えるか」というスキル習得に躍起になっています。

 しかし、ここで残酷な事実をお伝えしなければなりません。

 その「うまく話す」ことをゴールに設定してしまった瞬間に、あなたの説明は「伝わらない迷宮」に足を踏み入れています。

 私たちは無意識のうちに、「説明がうまい人=流暢に話す人」という方程式を信じ込んでいます。しかし、実はその「うまく話そう」という意識こそが、あなたの言葉を空虚にし、相手の心に届かなくさせている最大の原因だとしたらどうでしょうか。

 本記事では、多くの人が陥りがちな「流暢さの罠(わな)」と、本当に結果を出す人が無意識に行っている「思考のコンパス」について解説します。