低所得家庭への支援はスーパーマーケットでも広がっている。USMH傘下のマルエツは首都圏の100店以上をフードドライブの拠点にしている。フードドライブとは、家庭で使いきれない食品を顧客から寄付してもらい、NPO法人や社会福祉協議会、自治体を通じて、支援を必要とされている施設や団体、子ども食堂などに届ける取り組みだ。

 千葉県内では、とうかつ草の根フードバンク(TKF)の協力を得て、鎌ヶ谷大仏店や小金原店などに専用のボックスを置き、2024年10月末までに約16万点の食品を集めた。地域の子ども食堂支援を目的とする募金活動も全店舗で展開しており、2020年からの累計寄付額は1億円を超える。地域社会の課題解決や食品ロス削減に貢献する狙いだ。

消費を刺激する鍵は
値下げの方法にあり

 シングルマザーや就職氷河期世代の低所得、非正規労働も格差の拡大を映している。スーパーマーケットがライフラインとしての機能を果たすため、いかに経済格差に対応するかも課題だ。運営や商品調達にかかるコストを圧縮し、買いやすい価格の商品を品揃えする「ディスカウンティング」を確立することが重要となる。

 ディスカウンティングとは、価格政策を日替わり特売(ハイ&ロー)からEDLP(エブリデーロープライス=毎日低価格)に切り替えることで、売上と作業量を平準化し、運営コストの低減分をさらに売価に反映させる運営手法だ。

 セルフレジの導入はもちろん、商品を投げ入れるだけの「ジャンブル什器」や、入荷した状態のまま陳列する「段ボール陳列」などにより品出し作業の負担を軽減するのもディスカウンティングの手法のひとつ。また、ひとつの商品を低価格で集中的に売り込み、販売数量を稼いで仕入価格を下げたりするといった取り組みもある。

画像:品出しの手間が省けるジャンブル陳列品出しの手間が省けるジャンブル陳列(同書より)