ジェニファー・ベック
ガートナー
バイス
プレジデント兼
ガートナー
フェロー

 現在のデジタル・マーケティングの世界では、マーケティング資産の構築からキャンペーンの策定にいたるあらゆる面で、決定論的なアプローチに移行する動きが見られる。かつては口先だけだった“顧客の理解”は、いまや最新の科学になっている。

 扱うデータが大量であれ少量であれ、予測データであれサイコグラフィックデータであれ、ビジネス・インテリジェンスをより高次に活用するビジネス・アナリティクスが基礎となる。

 その目的は、戦略的事業の市場拡大や、売上向上のために販売攻勢を加速させることであり、それはまた新商品開発のように部門横断型になるケースもあれば、顧客サービス向上のように局所集中型になる場合もある。

 いずれにせよ、多くのマーケターにとって、マーケティングをより科学的でデータ主導型の領域へと進化させる旅路は、試行錯誤を重ねるものとなるだろう。

データと“踊る”

 これまでは、データに含まれる真実に近づいていると思えるかどうかで、成功や失敗を判断してきたが、これからは、真実そのものを明らかにすべきなのだ。しかし、データと“踊る”には、細かな振り付けとリハーサルが必要となる。ひたすら腕を磨くがよい。なぜなら、デジタル・マーケターにとって、データ主導型マーケティングによる意思決定こそが、成功の条件となるからだ。

 しかし、データと踊ることは、ウィンナワルツを踊るというよりはラテン系のサルサの踊りだ。ボックスステップを覚えて円を描いて回転するのではなく、ラテンの激しいリズムに合わせたエクササイズになる。腹筋を鍛えるごとく“マーケティング筋肉”を鍛えることだ。

 データソースもきれいに整っていなければならない上に、誤った仮説で新たな知見を排除してはならない。本能や直観に従って行動しがちなマーケターにとって、これは非常に難しい課題だろう。また、市場、自社の商品および消費者についての真実が明らかになるような方法で、データを精査する必要がある。失敗などの悪い情報ですら、価値ある教訓になり得るのだから。