「うちの子、語彙が少ないのでは?」「自分の意見をちゃんと言えない」‥‥‥。スマホやSNSの普及により、子どもの「言葉にする力」の衰えを危惧する声が増えています。そんな中、『「うまく言葉にできない」がなくなる 言語化大全』(ダイヤモンド社)等のべストセラーで知られる文章の専門家・山口拓朗氏が、待望のこども版『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社)を上梓しました。同書は、マンガと「言葉を使ったゲーム」を通じて、子ども(小学校低学年~高学年)が楽しく言語化能力を身につけられる画期的な一冊です。本連載では、本書をベースに親御さん向けの記事として抜粋・編集した記事や、著者による書き下ろし記事で、「子どもの言語化力」を高める秘密を紐解いていきます。
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「今だけ集中!」「時間内に書ききる!」
小学生のお子さまをお持ちの親御さまへ。
「子どもに作文を書かせたいけれど、なかなか書き始めない」「書き始めてもすぐに筆が止まってしまう」。もし、お子さまがそういう状態なら、これからするアドバイスを取り入れてみてください。
実は、子どもの作文上達の秘訣は、時間を区切って一気に書かせることにあります。
小学生であれば、学年に関係なく、「20分で300字」を目安にしましょう。
「うちの子に、そんなの無理では?」と思われるかもしれません。
しかし驚くことに、制限時間を設けるだけで、子どもたちは夢中になり、すらすらと筆を走らせます。
文章は「時間をかければ書ける」というものではありません。「時間は気にしなくていいから書いてみよう」としてしまうと、かえって集中が途切れ、「考えすぎて鉛筆が止まる」「ボーっとほかのことを考える」「遊び始める」という状態になってしまう子もいます。
だからこそ、「今だけ集中!」「時間内に書き切る!」という短時間勝負が有効なのです。
このとき重要なのは、大人が完璧や正しさを要求しないこと。
誤字脱字はもちろん、改行の仕方、句読点の打ち方、「てにをは(助詞)の使い方」、字のきれいさ、作文の細かいお作法……それらは、いったん脇に置きましょう。
つい口を出したくなる気持ちはわかりますが、それをしてしまうと、子どもの筆が止まります。書く内容ではなく、「間違えないように」「きれいに書かなきゃ」というほうに意識が逸れてしまうからです。
大事なのは、自分の頭で考え、言葉にする習慣を育てること
さらにもう一つ大切なのは、書いた直後に、作文の良し悪しをジャッジしないこと。
「ここがダメ」「もっとこうしたほうがいい」。
そうした指摘は、子どもの心から“書く喜び”を奪ってしまいます。
必要なのは「よく書けたね!」のひと言。それだけで十分です。
短い時間で集中して、最後まで書いた。その体験そのものが子どもにとって何よりの成功体験であり、「また書きたい」という意欲へとつながります。
作文の目的は、「正しく書くこと」ではなく、「自分の頭で考え、言葉にする習慣を育てること」。
まずは、子どもが、楽しく・気持ちよく書ける環境を整えてあげましょう。
*本記事は、『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社刊)の著者山口拓朗氏による書き下ろしです。






