明治時代の「30代の独身女性」は、しんどい? あえて朝ドラで描いた「生きる希望」の見つけ方〈ばけばけ第81回〉

身請けされたなみは、天国気分

 なみは身請けされるか迷っていたが、決断したのはトキの「おかげ」と言う。

 新聞で毎日、トキの記事を見ていたら、「なんか私もええことあるかもって思えたんだわ」。

「だけん出てみることに。そしたら今んとこ、めっちゃくちゃめっちゃくちゃーーー天国!」となみはすっかり幸せそうだ。

「だけんほんにありがとう」

 なみから礼を言われ、フミ(池脇千鶴)は「よかったね。我々も役にたっちょる」とトキを慰める。

 家族がみんな、サワとの関係がこじれてしまったトキを心配しているのだ。

「あの子(サワ)は1人で頑張っちょって辛そうだけん無理して出なくてええよって言ったんだけど、だども出てくるだろうね。自分の力で」

 となみが言い、「はい」と信じるトキ。そう、いまはただ、サワが自分のやりたいようにやったうえで長屋を出ることを信じて祈るしかない。

 そのサワは今日も白鳥倶楽部。早く来て勉強している。

 そこに庄田(濱正悟)がいて、なんとなくおしゃべり。

「あのさ、私も教師なんだ。帝大を出て、この間まで東京の中学で英語を教えてた。なので、『教師だった』っていう方が正しいかもしれないけど」と東京編以来の再登場なので、キャラ設定を説明しながら、「正規の教師になりたいんだよね。小学校の。なんで教師になりたいの?」とサワに質問。別に答えなくてもいいと付け加えるところが紳士的だ。自分の話ばかりしないし、かといって相手を質問責めにすることもない。

 サワはここは隠すことなく「長屋から出るためです」とはっきり言う。

「家が大橋の向こう側の遊郭の隣にある長屋で。だけん正規の教師になって早く稼いでそこから抜け出したいんです。女子(おなご)で教師ぐらい稼げる仕事ってほぼないですけん」

「ダメですか?」と喧嘩(けんか)腰で、庄田は、「いや、まったくまったく。いいと思うよ」と受け入れる。さらに「じゃあよかったら教えようか、勉強、一応教えるのはうまいはずだから」と親切だ。

 ところが、サワは「けっこうです!」と断る。あーあ。