成績が悪くても「自分は勉強が得意」と
答える人が多いアメリカ
欧米の若者と比べて「自分に満足している」と答える比率が著しく低くても、別に気に病むことなどない。それは、他の国際比較データを見れば明らかだ。
例えば、学力に関する国際比較データを見てみよう。
国立青少年教育振興機構は2015年に「高校生の生活と意識に関する調査」を実施している。その報告書をみると、「私は、勉強が得意な方だ」という項目を肯定する者は、アメリカの高校生では65.6%なのに対して、日本の高校生では23.4%に過ぎない。実に3倍近い開きがある。
「私は、勉強が得意な方だ」を肯定する者の比率に3倍近い開きがあることから、「日本の若者は勉強が著しく苦手なのは問題だ」と言えるだろうか。
こうした自己評価はきわめて主観的なものであり、それは文化的背景に強く影響されているのであって、学力の実態をまったく反映していない。
その証拠として、OECDが3年ごとに実施している学力の国際比較調査「生徒の学習到達度調査(PISA)」の結果を見てみよう。
この調査では、各国の15歳の生徒を対象として、科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシーに関するテストを実施している。大まかな言い方をすれば、毎回日本は総合的にみて上位に位置し、アメリカは中間から下位あたりに位置している。だから、日本の若者が勉強が著しく苦手だなどということはない。
たとえば、2015年の調査結果をみると、アメリカは科学的リテラシー24位、読解力24位、数学的リテラシー40位となっている。それに対して、日本は科学的リテラシー2位、読解力8位、数学的リテラシー5位となっており、いずれの科目もアメリカよりはるかに優秀な成績を収めている。その後に実施された調査でもほぼ同様の結果となっている。
このように、日本の高校生はアメリカの高校生よりはるかに学力が高いにもかかわらず、日本の高校生で自分は「勉強が得意な方だ」と答えた者はわずか23.4%しかいない。一方で、アメリカの高校生では65.6%が自分は「勉強が得意な方だ」と答えているのだ。
ここから言えるのは、欧米人の自己肯定感得点の高さは、単に自分を過大評価する心理を反映しているに過ぎないということである。自己肯定感の得点が欧米の若者よりどんなに低くても、日本の若者が気に病む必要などまったくない。







