これは、保護者以外にも有効だ。たとえば、名門ゼミに所属しており、周りに日本の大企業に行く同期が多いとすると、ベンチャー企業に内定した人は周りの内定先をみて、悩むかもしれない。
周りに誰がいるかを確認する質問は有効なのだ。想像がついた人もいると思うが、要するにこの質問の本質は周りにどのような人がいて、その中で自分はどんな存在であり、どんな影響を受けているかということである。
「尊敬する人物」なども、思想・信条をチェックするという意味ではなく、どのような価値観、思考回路、行動特性を確認するという意味では面接官にとって知りたい項目である。
「人生を変えた体験」など、いかにもよくある質問の中で、掘り下げていくということで、確認するという手もある。
このように、不適切質問には抜け道もある。一方、その際に面接官が確認したいことは何なのかという問題もある。出自の確認、思想チェックという意図ではなく、働く上での本人の価値観を確認するという意味を含んでいるのだ。
学歴差別や女性への偏見は
いまだ根強く残っている
悲しいことに就活には「差別」という言葉がなくならない。最もよく指摘される差別は「学歴差別」である。
もっとも、この学歴差別に関しても、実は視野が狭い差別批判だ。ヨコの学歴である学校名、学校歴の議論が中心となる。中卒、高卒など、タテの学歴、最終学歴による差別や格差の議論は不十分である。
また、タテの学歴で最高峰であるはずの博士課程に進んだ者の採用も問題を残している。採用枠を設けること、待遇を改善することなど、前進は見られるが、まだまだ不十分だ。
いまや、男女共同参画、女性活躍の動きは進み、企業も女性の採用数を増やそうとしている。総合商社の丸紅のように、採用数を男女同数にしようとするアクションに取り組んでいる企業もある。採用だけでなく、男女の賃金格差の是正、女性の管理職や経営陣を増やすアクションもある。
しかし、就活セクハラなどは根強く存在する。約30年前、就職氷河期の前期の頃には、一人暮らしの女性はふしだらな可能性がある、早く社会に出ることができ、「寿退職」までの期間が長いので、四大卒よりも短大卒のほうが有利という言説があったことを忘れてはならない。







