「報酬」をモチベーションに働く人が周りを不幸にするワケ写真はイメージです Photo:PIXTA

資産運用は、自らの資産を守るための重要な手段だ。銀行員に相談し、プロのアドバイスを信じて金融商品を選べば安心だと考えている人も多いだろう。しかし、その選択が必ずしも自分の利益につながるとは限らない。なぜなら、助言する側には「手数料」や「販売実績」といった別の報酬が設定されているからだ。相手がどんな報酬によって動いているのかを見誤ったとき、私たちはどんなリスクを背負うことになるのか。※本稿は、作家・実業家のロルフ・ドベリ著、中村智子訳『Not To Do List 失敗を避けて、よりよい人生にするためのやってはいけないことリスト』(サンマーク出版)の一部を抜粋・編集したものです。

インセンティブシステムが
不幸な人生を招く理由

 不幸な人生を送りたいなら、「報酬」という刺激のワナにハマればいい。インセンティブシステムの世界に流されよう。お金がもらえることを、どんどんやろう。

 あなたが学生なら、「理解力」よりも「暗記力」が評価され、よい成績がもらえる学校に通うこと。

 ジャーナリストなら、リーチ(コンテンツや広告を見たユーザーの数)で資金を得る無料メディアのために記事を書くといい。そして、事実に基づく報道よりも、スキャンダラスなヘッドラインを優先し、読者数を稼ぐのだ。

 あなたが銀行員なら、顧客にできるかぎり頻繁に株式取引をさせて、手数料を稼ごう。最終的に、あなたが顧客から巻きあげた金は、銀行に大きな利益をもたらすだろう。

 あなたが医師なら、患者にまったく必要のない複雑な手術を勧めよう。それによって、あなたの収入はどんどん増加する。

 何かしらインセンティブ(成果報酬)が手招きしていたら、いつでも、情熱をこめてうなずきながらイエスと返事をしよう。

 これで不幸な人生が約束される。