・「本籍地や出生地に関すること」を応募書類やエントリーシートで記入を求められた割合:43.6%、採用試験の面接で質問された割合:28.3%

・「人生観、生活信条に関すること」を応募書類やエントリーシートで記入を求められた割合:20.4%

・「思想に関すること」を採用試験の面接で質問された割合:15.2%

 人権に関する意識が高まる中、またここ数年、就活に関するハラスメント行為が問題となる中、絶句する調査結果だ。もちろん、設問により選考で問われた割合は異なるものの、令和の時代において、選考でいまだにこのような質問がされていることに驚く。

就職後のミスマッチを防ぐための質問が
時代にそぐわなくなってきた

 なぜ、面接官は不適切質問をしてしまうのかを確認しておこう。注目したいのが、この連合の調査における不適切質問の出現率は、前述した代表的な質問をみてもわかるとおり、書類選考よりも面接において圧倒的に多く発生している。ここがポイントだ。

 書類選考において、エントリーシートなどの要件は主に人事部の採用担当者が決める。人事部の視点で不適切な質問がないかチェックが行われる。しかも、書類は証拠が残る。不適切な質問をしていることを証明しやすい。大学のキャリアセンターなどに相談が入る可能性もある。

 これに対して、面接は人事部だけでなく、現場の社員も動員される。面接官には研修が実施されるのだが、必ずしも徹底されない。人事部は、社内に人権啓発を行うミッションも担っている。しかし、現場の面接官には必ずしも浸透していない。そうであるがゆえに、本人からすると悪気なく、極めて普段どおりに、採用面接の現場では面接官から不適切発言が行われる可能性がある。問題だという意識すらわかないのである。

 中には、本人を深く知るため、ミスマッチ解消という意味で聞いていることもある。たとえば、「尊敬する人物」に関しては、質問する側からすると「思想・信条」という意図はなく、価値観や、どのように成長してきたかを問う質問だと位置づけているのだろう。「尊敬する人物」について、悪気なく聞いているというわけだ。